送ることのできない君への手紙

拝啓 送ることのできない君へ

拝啓（はいけい）　愛（あい）する君（きみ）へ。そちらの天気（てんき）はどうでしょう？

ここは天気予報（てんきよほう）は晴（は）れだったのですが、急（きゅう）に雨（あめ）が降（ふ）りました。

少（すこ）し、君（きみ）が泣（ない）いているのかな、と柄（がら）にもなく思（おも）ってみたり。

今日君（きょうきみ）と見（み）た桜（さくら）の木（き）を見（み）に行（い）ったが、もう散（ち）っていて時（とき）の流（なが）れを感（かん）じました。

その枯（か）れた桜（さくら）の木（き）の下（した）で僕（ぼく）は願（ねが）っています。

君（きみ）へ触（ふ）れたい。声（こえ）が聞（き）きたい。と。

君（きみ）がいないと僕（ぼく）は生（い）きていけないんです。

なので、早（はや）く会（あ）いたいのです。

どうか、この声（こえ）が君（きみ）へ届（とど）いてますように。

拝啓（はいけい）　愛（いと）しい君（きみ）へ。泣（な）いているのバレてしまいましたか。

でも君（きみ）も泣（な）いているのでおあいこですね。

桜（さくら）の木（き）。懐（なつ）かしいです。いつか、また一緒（いっしょ）に見（み）ましょう。

大丈夫（だいじょうぶ）。君（きみ）は僕（ぼく）が居（い）なくとも一人（ひとり）で生（い）きていけます。

どうか、この声（こえ）が君（きみ）へ届（とど）いてますように。

拝啓（はいけい）　愛（あい）する君（きみ）へ。

僕（ぼく）の声（こえ）は、君（きみ）に届（とど）いていますか？

君（きみ）がいなくなって今日（きょう）で二年（にねん）が経（た）ちます

僕（ぼく）は毎日（まいにち）、君（きみ）と一緒（いっしょ）に見（み）た桜（さくら）の木（き）の下（した）で

僕（ぼく）の思（おも）いが、声（こえ）が、君（きみ）に届（とど）けばいいのに。

そう思（おも）いながら、君（きみ）に送（おく）ることのできない手紙（てがみ）を書（か）いています。

僕（ぼく）は今幸（いましあわ）せに暮（く）らしています。

君（きみ）もそちらの世界（せかい）で幸（しあわ）せだと嬉（うれ）しいです。

今（いま）まで一人（ひとり）では生（い）きていけないと僕（ぼく）は思（おも）っていました。

でも今（いま）は、一人（ひとり）で頑張（がんば）っています。

君（きみ）のことを胸（むね）に抱（だ）いて、がむしゃらになって今日（きょう）も人（ひと）を救（すく）っています。

あの日（ひ）の悲劇（ひげき）を繰（く）り返（かえ）さないように。

だから、もう大丈夫（だいじょうぶ）です。

どうか、この声（こえ）が君（きみ）まで届（とど）いてますように。