自分の部活が危機なので少し本気をだすとしよう
笹原ユズ
第1話 プロローグ「僕と部活と仲間たち」
僕の名前は川島港、岡山にある私立霧崎高校の2年生だ。
突然だが、僕ほど人として特徴のない人間もはなかなかいないのではないだろうかと最近感じることが多い。
僕の住んでいる岡山県は中国・四国地方の中でいえば広島県に次ぐ2番目のの都市だが、アニメや漫画の舞台になるような東京や大阪のような都会ではなく、また都市としてもあまり知名度はないなと感じる。やっぱり、隣の広島県の方が世界遺産や人気プロ野球チームもあって知名度も高いしそのせいでとなりにある岡山県はかすんで見えちゃうのかなと思う。都会はよくアニメや小説の舞台にもなるのだが、岡山が舞台のアニメや漫画はあまり見かけない。アニメや漫画が大好きな僕としてはお隣の兵庫県に負けないくらいにはなってほしいなと感じるけど…。(岡山県出身の有名漫画作家さんは多いのでいつかは書いてくれると信じよう。)まあ、とりあえず岡山県は県外の人から見たらあまり目立たない存在の県ではないかなとと最近はよく思う。
あと、僕の通ってる学校はというとこれまた超進学校でもなく、かといってスポーツが有名な学校というわけでもない県の片隅にある田舎の自称進学校だ。その学校の生徒の中でも、僕はとりわけ勉強や運動ができるわけでもないし、かといって全くできないこともない。要するに何も目立つことがないというわけだ。
今日から高校2年生になった4月、部室の窓から満開の桜の木を見ながら僕はそんなことを考えてぼーっとしていた。部室にいるのに真面目に活動はしないのかそう感じる人もいるかもしれない。(まあ、実際それが世間でいう部活動のあるべき姿なのだろうが…)だが、そんなことはしないとここで断言しておこう。なぜなら僕の所属しているこの科学技術部は顧問の先生も部長も副部長も全く活動に興味のないダメダメな部であって、そういうわけでこの部室は僕たちオタクが自由に使うことができているのだ。だから今日も部室でアニメを見て、ゲームなんかをするために今日も僕は部室に来ている。
「おいおい港!なに一人でたそがれているんだよ~。」
そんなことに考えをめぐらしていると僕の悪友の恭介が話しかけてきた。恭介も僕と同じ部活で同じアニメオタクなのでよく話をする間柄だ。
「うるさいなー。ちょっと考え事してたんだよ!」
「どうせまた、新作のアニメや漫画について考えていたんだろ~。俺にはお見通しだぜ!」
「うっ、そんなわけないだろ…」
「やっぱお前は分かりやすいな。」
「そうかな?」
「そんなことより、早く今日の活動を始めようぜ!」
「はいはい、わかったよ。」
こうして僕らの今日の活動が始まるのだ。
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