恋人

お題：かたいクレジットカード 制限時間：15分

恋人

「今月の明細やばいんだけど、ねぇ？」

「ガチャでたくさん引いたからね。趣味で使ってるのはそこしかないから、大して減ってないよ」

「いやいや……これ限度超えてるよね？　なに柔らかいクレジットカードなの！？」

「かたいもやわらかいもないと思うけどね。柔らかいのは君の胸と陰部で……。なんにしても、毎回使うわけじゃないよ。そんなことしてたら、破産だよ。まぁそうしないように貯蓄はしてるんだけどね」

「いや……さ、あんたのお金だから自由にしてはいいと思うよ。家にお金も入れてくれるてるし、良い家に住ませてもらってる。だから、あたしが文句言えるわけではないんだけど……」

「不満そうだね」

「だって、そのお金があれば、もっとあたしにかまってくれてもいいじゃない」

「いつも夜は一緒に寝てるし、旅行にだっていってるじゃないか。子どもだっていつかは作ろうって話をしてるじゃないか」

「そういうことをいってるんじゃないんだよね……。まぁそこが理解できたら、あんたはあんたじゃなくなるくらいのことは知ってるよ。今に始まったことじゃないしさ」

「たくさん思い出あるものな。出会いと……別れはなかったか。小学校以来ずっと一緒だな」

「それは嬉しいことなんだけどさ。あんた変わり者過ぎて、あたし結構ひどく言われてたんだよね。まぁお義母さんにはありがたられてたけどさ」

「甘かったよねぇ。思春期でも同じ部屋で寝てたし、それからもずっと一緒に寝てたし」

「手を出してくるのも早かったよ」

「いい声で鳴いてたよ？」

「そういうことじゃないから。そういうのは彼女彼氏になってやることだから」

「今結婚してるんだからいいじゃない」

「はぁ……ほんとどうしてあんたとくっついたのかしらね。わけわかんない」

「恋愛ってそういうものじゃない？」

「あたしたち恋愛して結ばれたわけじゃないじゃない。ずっと一緒にいるのが当たり前になって、一緒になったようなものだし」

「悪いの？」

「悪いとかそういうのはないと思うよ。身体の関係も相性良かったし、何よりあたしが不幸に思うことがなかったし」

「じゃぁいいじゃん」

「そうだね。そうかもしれないけど……もう少しお金貯めない？」

「毎月5万も貯めてるのにもっと貯めるって？　家も買ったし、車もあるし、欲しい物でもあるの？　ブランドものは確かに少ないかもだけど」

「なんかもっとお金の見える化が必要だと思うの。こんなデータでしかないものがいつまでも残ってるとは思えないし」

「そんなこといったら、銀行にあるお金なんてデータ以上に存在感ないと思う」

「まぁそうだろうけどさ……はぁ」

「とりあえず、新しくできたラブホ行ってみよう」

「そういえば、最近できたみたいね」

「いろんなプレイができるらしいよ」

「も、もぅへんたいなんだから！」

「嬉しそうに鳴かれたら、もういくしかないよね。じゃぁ、今から行こう」

「い、今から！？　ど、どうしようかな」

「もじもじしなくたって連れてくから。まずはお互い服を着ようか。さすがに裸でいったら、逮捕されるだろうし」