「うち」は冷たく「そと」は暖かい

赤猫

「うち」は冷たく「そと」は暖かい

「うち」は冷たいでも「そと」は暖かい。


「うち」にいると私はひとりぼっちだ。


 でも「そと」は違う。

 手を握ってくれる人がいる。

 私に笑ってくれる優しい人達がいる。


「うち」にいる時は笑えない。

 だって何かを言う度に私を否定する気がして怖いから。

 私を否定する怒鳴り声が聞こえるから。


「そと」にいる時は笑える。

 否定をする人はいるかもしれないけどそれ以上に肯定して認めてくれる人たちがいるから。

 一緒に笑ってくれる声が聞こえるからだから怖くない。


「うち」にいる時は早く出たいと思う。

 早く早く時間が過ぎればいいのにと思う。


「そと」にいる時はずっといたいと願う。

 時間が止まればいいのにと強く強く願う。


「うち」には愛よりも哀がたくさん詰まって窒息しそうだ。


「そと」にはたくさんの温もりがあって心地いい。


 …私は理解した。

 私は「うち」が嫌なんだと。

 ここにいると息が詰まって苦しいんだと。

 たくさん否定されてボロボロに傷つけられてそれでも認めて欲しくて愛されたくて仕方がなかったんだと。


 でももう気づいた時には遅かった遅すぎたのだ。

 だってもう怖いとしか思えないから。

「家」には居場所なんてないから。

 生きていることを私自体を否定するのだから。


そと」は他人かもしれないけど、私を認めてくれた。

 そのままでいいよと言ってくれた。

 私にはいい所があると見つけてくれた。


 居場所があると教えてくれた。

 居場所にしてくれていいんだよと教えてくれた。

「外」は暖かいと教えてくれた。


 だから私は「家」の人じゃない「外」の人に言いたいんだ。


「助けて」って「つらい」って、

 …もうここにいたくないって。

 ごめんねこんなに泣き虫で弱い私でも許してくれるかな。







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「うち」は冷たく「そと」は暖かい 赤猫 @akaneko3779

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