第4話 計画を立てると大抵上手くいかない!

「それじゃあ、13時に桃太郎銅像前で、」


「13時に桃太郎銅像前でお願いします!」


明日のために、僕と糸織しおりは電話でそれぞれの先輩に伝えた。そして、よく高校生の待ち合わせ場所となっている桃太郎銅像前で集合となった。

この日、僕と糸織は、明日用のサングラスやマスク等を用意して就寝した。


翌日、12時50分、上原亮司うえはらりょうじは、例の集合場所に来ていた。


(服装が、これだから、おう、ドジ子はあれか、、髪括くくってんのか、ちょっと驚かせやろ)


「ねぇ、ねぇ、そこのお姉さん。今日は、暑いね。一緒にお茶でもどう?」


それが、糸織だったら、上手く驚かせていたかもしれない。

しかし、そんな上原先輩の調子とは違って、そこに居たのは、、


「おい、亮司。私との喧嘩中で休日に、ナンパをやってるとはいい身分だな。」


「なんで、涼香すずかがいるんだよー!」


(何してるんだ上原先輩!最悪の始まり方じゃねぇか!)


そう、糸織はいない。なんなら僕もその場にいない。そして、そこには行かない。


「糸織、始まり方が不味くなったぞ、ちょっと出るか?」


「行きませんよ、さぁ早速作戦に行きましょう!」


「なんでそんなノリノリなの?」


「好きな人と一緒に行動するのっていいものですね」


ギフン!!


今回の作戦は、二人でデート中に起こる事件から、再び自分達で愛を確認してもらおう。というものだったのだ。

少し離れた位置から僕と糸織は、視ていた。


「それは、こっちのセリフだ。私は、ガミと用事できてただけだ。」


「お前だって、男と遊んでんじゃねぇか」


「はぁ?アイツは無しだろ普通に考えて」


「そうか、そうだな」


糸織が僕の肩に手を置いてくる。

え?別にショックじゃねぇし、最初からどうとか、こっちも思ってねぇし?




ドンマイ!!野上くん!


「アイツら、めやがったな」


「ちょっと、お手洗い行ってきていい?」


空先輩は、逃げる様に走って行った。今、会話の途中だったよね。そんな急ぎなのか?


「おう」


(今のうちにアイツらに電話してやる)


『どうしたんですか?上原先輩?』


『どうしたんですか?じゃねぇだろ、お前らどこにいる?ガミも一緒だろ?』


『は、はい。すみません。えっと、えっと、イオンの中で待っているんで二人で来てください!』


『ツーツー』


(切りやがった)


「ごめんね、亮司。」


空先輩が戻ってきた。ボーイッシュではなくなっている。


「おう、ってなんかいつもの涼香に戻ってる。」


「あれ、そうかな?どう?」


あぁ、もう、空先輩可愛すぎだろ!好きな人の前では、可愛くありたいってこういうのが理想なのでは?


「ふーん、いいんじゃない?どっちも似合ってると思うけど」


上原先輩は、そっぽを向いてしまった。これは、興味が無いからでは無い。僕には分かる。照れているんだ。


「へぇー、そっか」


空先輩は、嬉しそうに頬を赤らめる。上原先輩も照れてるし、なんだよ、アイツら。


(ほぉー、野上くんは、ああいう風に自分の事を思ってくれる女の子が好きなんですね)


「俺、まだ昼食べてないんだよね。食べてくるなって言われてて」


「私も」


このために、二人には近くのカレー屋の割引券を配っていたので、自然にそこに行く流れになった。

そのカレー屋が仕組まれた店だとも知らずに。しかし、その店では野上くん達も想像していなかった事が発生する。





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