第23話
大きい招き猫を中心にたくさん猫が並んだ建物に辿り着く。
名前は猫堂だとか。
遠目からしか見てなかったのだが…いざ近くで見ると…。
「オオダドン、私は猫派じゃないから君に聞きたいんだけど猫ってこんな不気味だっけ?」
もっと丸みがあって可愛いものだと思っていたが、近くで見ると何やら不気味な感じの場所だった。
遠目からだと、可愛らしい猫神社的なのを期待していたが、これではまるで…。
「なんだかお墓みたいね。
ここにある猫ちゃん達も古びたこけしみたいでなんだか不気味ねぇ。」
ぇえ…っと声を漏らすアキ。
この建物の説明が記載された看板みたいなのがあり、あっさりと要約すると猫を供養した建物がこれだそうだ。
「まぁ、お化け屋敷みたいなものらしいね。」
猫でお化け屋敷とは考えなかった。
ミナトがそう考えながら、ぼーっと入り口を見てみるとフンスを息を出すオオダが向かっていた。
肩をグルグルを回しているあたりやる気満々らしい。
「オオダドン、1人で行く気かい?」
「モチ!
肝試しでしょ、1人で行かなきゃ女が廃る。」
ミナトの言葉にそう返事しながたら入り口に向かう。
複数で言って誰かのリアクションをみたり、驚かしたものを一緒にみて感想を言い合うのもまた乙だろうに。
どれ、自分も向かうか。
そう考えながら入り口に向かうと、アキがヒシっとミナトの腕に手を絡ませミナトの後ろになるように立っている。
。
「どった?」
「ミーちゃんが怖くないように私も一緒に行ってあげる。」
現実世界でもこんなお手本のようなツンデレがいたいたのか。
怖いなら入らなきゃいいのに…。
そんな事を思いながら中に入る。
お化け屋敷の定番の自分に話しかける何かの言葉を聞き流しながら進む。
大体、こうゆうのっては話が終わるころに死角からお化けがでてくるんだよなぁ。
なんて思っていたら、足元が大きい音と共に光った。
「うぉう!!」
ミナトは思わず声を出してしまった。
大きい音は反則だよ。
やれやれとそんな事を思いながらミナトは、チラリとアキを見るとアキはミナトの肩に顔を埋めていた。
「光が目に入って痛い。」
若干声が震えているあたり、結構きているようだ。
まぁ、本人がギブアップしていないし進むか。
そう考えながら、震えるアキを無視してミナトは足を進める。
別にミナトもお化けが平気な人間ではないが、隣にあからさまに怯える人がいると恐怖もクソもない。
他の人が怖がると自分が怖くないのは、集団でいる時に全員が恐怖で動けなくなるのを防ぐための防衛本能みたいなものなのかなぁ。
そんな一歩引いた感じになってしまった為に一周回ってミナトは面白くなった。
仕掛けが来る度にビクつくアキや、あからさまに作り物のお化けたち。
きっと、自分が男なら最高のシチュエーションなのだが…相手は女だし…逆に自分は彼氏ができたらアキのようにアクションするのかなぁ。
やっぱり雰囲気って大事だね。
ミナトがそう考えながら進むと外の香りが匂ってきた。
先に入った戦士と合流することもなかったし彼女は無事に出口に着いたのだろう。
すると、日の光が見えた。
「あ、出口だ。」
ミナトがそういうと、アキは無言で入り口に向かって走り出した。
一応目がやられたと言っている。
嘘でも本当でも急に暗い所から明るい所に向かって走るのは危ない。
「アキ、走ると…。」
ミナトの静止も空しく出て行ってしまったが、問題はこの後。
出口直前にも仕掛けがあり、ホラー映画特有の最後の逃がさないよ的な仕掛けがあったのだが…言われた本人は既にいない。
ミナトはそんなシュールな絵面を見て笑いながら出口を出た。
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