第6話
散策が止まらなくなるが、とりあえず先にお風呂だ。
女湯の脱衣所に向かって3人は進む。
脱衣所も思ったより綺麗だった。
木造の物をイメージしていたが、ホテルのような感じの内装だった。
青々しいと言ったらいいだろうか、そんな木の香りを少し期待したが硫黄の事もあるからこの内装に落ち着いたのだろう。
脱衣所に入るとより一層硫黄の香りが強くなっていく。
慣れないと匂いはキツイが、効能は本物。
アキがパンパンと頬を叩き気合を入れるのを確認すると、ミナト達は脱衣所を出て浴場にでた。
岩場を思わせるようなタイルの浴場で中の浴槽の種類は4種類あった。
気泡風呂と水風呂、登別温泉でメジャーな物と、目に効くお風呂があるそうだ。
サウナもあるが…今回は他にもいくところがある為にスルー。
時間の節約の為に、今回はメジャーな物と目に効くお風呂を堪能することにしよう。
3人は体を洗い流した後に先ずはとメジャーな物から体をつけていく。
効能としては、硫黄分が高いこのお湯は殺菌性を持つ酸性のものらしく特に皮膚病にいいらしい。
肌荒れにも効果はあるのだろうか…そんな期待をしつつミナトはゆっくりと浸かる。
の、ぼ、りべつと言えば?
そんなローカルなCMソングをご機嫌な様子でオオダは口にするが今回は有名どころの熊牧場にはよる予定はない。
他の所も回りたい為に、熊牧場にあまり滞在できないからだ。
べつに道民だったら日帰りでもいける。
日帰り温泉だったら熊と温泉だけでも悪くないだろうと。
そして、目に効く温泉に体をつける名前もそのままで目の湯。
周りの匂いがきつい為このお湯の香りは分からないが、どうやら結膜炎に効くからこの名前がついてるからそう言われているらしい。
他にも皮膚や粘膜を引き締めるのにもいいだとか…。
3人は程度はどうであれ、目があまり良くなく全員メガネかコンタクトをしている。
効果があるかどうかは別として、名前にあやかるように三人はそのお湯を顔につけた。
「ねぇ、ミーちゃん。
ブルーベリーとこの温泉だとどっちが目にいいと思う?」
「医食同源って言葉もあるし、ブルーベリーじゃない?」
そんな不毛な会話をして3人はお風呂を後にする。
オオダは髪が短いためにサラサラとフェイスタオルだけで髪を乾かすが…ミナト達はそうもいかない。
「うーん、どうせ宿の温泉にもはいるし…今回はサラサラと簡単に拭きとりましょうか。」
アキはミナトの頭の上にフェイスタオルを乗せて優しくワシャワシャと水気を拭き取る。
適度な力加減だったようでミナトは気持ち良さそうに目を細めた。
「わかったよ、ママ。」
誰がママじゃ…。
タオルで髪を拭かれて気持ちよさそうにしているミナトの頭をタオルの上からスコーンと優しく叩く。
ドイツもコイツも…。
そんな事をボヤきながらアキも自分の髪をタオルで拭き始めた。
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