第17話

私達はいつものように森に入っていった。

薬草を摘みながら、お金でも落ちてないかなって考えてる。

まぁ、こないだのストーカー魔術士どもから、ぶん盗った魔術士の杖と金貨があるから少しは蓄えも出来たけど。

また、あーいうの来ないかな。


とは言え、こないだは勝てたけどさ。

本当に強いのが来ちゃったらヤバいよね。

私の美貌だったらあり得るから怖い。

きっとあり得る。

こないだのストーカーはミヨ目当てで私はオマケだったみたいだけど。

私にはもっと素敵なストーカーが付く。

うん。

絶対そう。

お姉ちゃんの妹だもん。

きっともっと背も高くなって、他の所も!


ミヨって、どっちかと言うとクールビューティ系なんだよね。

パッと見、ツンケンしてそうだけど、何気に面倒見も良いし。

まぁ、なんだ。

良い奴と相棒になれたと思う。


他のいつも組むメンバーも…

名前も碌に覚えて無いけど、とりあえず悪い奴らじゃない。

でも、本格的なパーティーを組むまでの腰掛けってみんな思ってるから、そんなに深入りしない。


って、パーティーね。

訓練所で習った基本構成は戦士、僧侶、盗賊、魔術士をバランス良くって習った。

魔術士は始め弱いから、入れて貰えない事が多いけどさ。

だから私達は魔術士ばっかで組んでる訳だし。

いつかは組みたいけど、どんな風になるのかなぁ。

パーティー内で恋とかしちゃったりするのかな。

うふふ。

でも、私は貴族になるから清い体のままでいなきゃね!

彼氏とかいた事ないし、大丈夫。

あれ? 

大丈夫か?


そう言えば、依頼で村に行った時にあったラナ君。

大人になったらパーティー組もうねって約束したな。

あの子、幼馴染と訓練してたし、本当に冒険者になったりして。

魔法に興味があるみたいだったけど、魔術士になるのかな?


なんて事をグルグル考えながら薬草を摘む。

薬草って言っても、ほぼ雑草みたいなもんだしね。

一番ランクの低い葉っぱだ。

もっと高い効果のあるものは、森の奥まで行ってちょっだけ取れる、みたいな感じだ。


森の奥は、魔物の生活圏だ。

今の私達じゃ危ない。

レベル3以上が推奨されてる。

敵も集団で出る事が多いみたいだし。


もっと強くならなきゃな。

こないだ、死ぬ気で儀式をしたから、私とミヨは他の皆んなより魔力が上がった。

でも、基本魔法とふぁいあーぼーるしか使えないし。

せっかく属性持ってるんだし、何か強ーい魔法使えるようにしたいな。


うーん、でも私、不器用だしな。

ふぁいあーぼーる一筋で行くのも悪くないか。


む。

今日は薬草の集まり悪いな。

誰か来た後か?

なんて思ってたら。


「きゃああぁぁぁ」


悲鳴が聞こえてきた。

わぁ、厄介ごとが来た。

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