第18話

なおちゃんが目を開けると、そこは薄暗くて何もない広間のようでした。

広間の隅の方に、誰かがうずくまっています。

それは、おばけの王様でした。

なおちゃんたちが立ち上がると、たまごの殻が伸びて、二人の背丈に合うようになりました。

そして、二人は王様に声をかけました。

王様、はじめまして。

王様が顔を上げると言いました。

そなたたちは、本当にたまごの呪いを解いたのか?

なおちゃんが言いました。

呪いを解いたのかどうかはわかりませんが、こうして私たちは再会することができましたよ。

ヨシオ君もなおちゃんを抱きしめながら言いました。

なおちゃんが10年間も僕のことを忘れないでいてくれたから、僕たちは再会することができたんです。

王様、人間はひどいことをする人もいるけど、愛し合う人もいるんです。

これって素敵なことだとは思いませんか?

僕たちには、人間はすべて滅ぼしてしまうほど、救いようがないとは思えないんです。

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