正解か間違いか
雨降 晴
エピローグ
やあ諸君、ひとまず
挨拶を済ませておこうか。
……ん?
誰に言っているんだって思ったかな?
君だよ、、、そう
この文章を今この瞬間なぞった君だ。
驚いたかな?まあこれ以降こんなことはしないから安心してほしい。
ここで一つ私の能力の片鱗を見ていただいたところで話を進めるとしよう。
まあ能力と呼ぶには滑稽なものかもしれないが、、、
それでは改めて、私の名はBuscador(ブスカドール)、
探偵をやっている者だ。
今時探偵なんて流行らないと思われがちだがそうでもない。
探偵仲間も意外といる。
しかしまあ何の才能もないものが成功できるかと聞かれればそれはノーだろう。
ここで思い出してほしいのが私の能力だ。と言っても技術に近いがね。
私の能力は簡単に言えば『揺さぶり』だ。通常読み取れるはずもない細かな感情の揺らぎをこちらが読み取れるほど大きな感情の変化に増幅してくれる。
この能力を私は『Sacudir』(サクディル)と呼んでいる。
な、なんでかって?
…………
……
…
かっこいいからだよ!!
外国語に直すだけでかっこいいって思うだろ
え?、、、思わないって?いいだろ本人が気に入ってるんだから。
おっと、失敬
自分の感情が増幅してしまったようだ。これだから……
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さて、自己紹介も終わったところでそろそろ仕事に向かうとしよう。
今回の仕事はある秘密結社の捜査だ。
その正体は謎に包まれているが、分かっていることが一つ。
今この世界で起きている連続研究所破壊事件に関わっているということだ。
と言ってもなんでこんな事するのか見当もつかん、、、とはならん。
なんで見当がつくかを説明するにはここ10年くらいのおさらいが必要だな。
今までこの世界には大小はあれど能力を持った人間が過ごしていたんだ。
しかし当然能力が強いほうが地位が高くなる傾向があったんだ、
酷いところは能力のせいで就職出来なかったり、嫌がらせの対象にもなっていた。
それと反対に
相対的に数の少ない強い能力を持った人々は意図的に孤立させられることもあった。
それを良しとしないお偉いさん方が能力の研究の大幅な増強を決めたんだ。
もちろん表向きには被験者となる人には了承と多額の恩赦を設けるとしていたし、
そのおかげで能力開発の進歩は目まぐるしくなった。
それにもかかわらず反対運動は数年間にわたって続いている、、、
ここまで話せば秘密結社が何のための組織なのか推測できる理由が分かったかな?
なんて話していたら待ち合わせの場所に着いたようだ。
「やあ、君はいつも時間通りだね」
「ほんとよ、少しは早めに来るとかできないわけ!?」
丁度いい、この機会に私の探偵仲間を紹介しておくとしよう。
初めに声をかけてきた方がpoder(ポデル)図体が大きく如何にもパワープレイが得意そうなナイスガイだ。緑色のバンダナにふくよかなお腹がトレードマークでいつも私に頼ってくるので弟のようにかわいがっている。
次に声をかけてきた気の強そうな女性がmanipular(マニプラール)私はマニと呼んでいる。
それに応えてかマニは私のことをドールと呼ぶ。彼女曰く着せ替え人形みたいに性格が変わることから“ドール”だそうだ。
そして外見は魔法使いをイメージしたようなとんがり帽子とそこから伸びている紫色と赤色の髪が特徴的でその容姿は町を歩けば目立って仕方ないほど整っている。ただ身長が小さいことだけはコンプレックスらしくそのことに触れられると拗ねてしまう。
「悪い、次からはもっと早めに来るよ」
「そういって本当に来たことが何回あったかしらね?」
「実際間に合ってるんだしいいじゃないか」
「ほらやっぱり、直す気なんて微塵もないくせに。
そんな気取った片眼鏡にどうやって着てるのかわからないルネサンスかぶれの服、
警官帽みたいなのに隠れてるけどその長い髪、いちいちセットしてるわよね?
そんなことしてる暇があったら少しでも早く来なさいよ!」
「まあまあ、二人ともケンカしないで、仕事の話するよ?」
いつもこうだ。
マニに絡まれないと仕事は始められないのか、
まあいい。
今回の相手はは研究所を完膚なきまで破壊するほどの組織だ。
荒事になるのも覚悟しないといけない。だから二人に声をかけたのだ。
「それじゃあ、今回の仕事の目的からおさらいしていこうか」
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