第59話 イースタウンへ

 本日、異世界21日目!


 今日は朝からイースタウンへ向かうため、早起きして食事をいただいてます。


「ユメ!昨夜はよく寝られましたか?」


「はい、スッキリしてます。」


「昨夜は、エメとエマは一緒にお風呂に入ったんですってね。

 久しぶりに積もる話もあったんではないですか?どんな話をしたの?」


「あ、えーと、いろいろです!楽しかったです!」


「はい、みんなで入ったんで楽しかったです!

 エメは興味深々で見学してました!」


「そうですか。それは、エメもいい経験ができましたね!」


 ゲホっ!


「ユメ、どうしたの?むせちゃって!」


「あ!すいません。なんでもないです!」


 わー、みんなでこっち見てるよ。

 どーせ、変な顔してるんでしょ?


「ルーカス、ジャックから準備は出来ていると聞いています。食事が終わり次第、彼らから聞いてちょうだい。ユメ!頼みますね!」


「承知致しました!では、僕たちはそろそろ行ってきます。」


 部屋を出て、ルーカスさんからイースタウンと建物内の詳細図をもらい、説明を受けた。

 それから、ジャックさんと王城の屋上に向かう。


「この広さで大丈夫か?」


「はい、大丈夫そうです!

 もう出発しますので、この場はエメ様だけ残って、あとは屋内に戻ってもらえますか?すいません。」


「おー、気にするな!わかった。あとはよろしく頼む。みんな行くぞ。」


 屋上にエメ様と黒の軍団だけとなった。


「念のため、エメ様にはカグヤ様号を見ておいてもらいますね。カグヤ様!よろしくです!」


「おーけー!ほな見ときよ!膨張や!」


 ババーン!


「わおー!これですか!?すご〜い!」


「みんなで乗って行きます。

 あとは、隠密で見えなくなりますから、エメ様も戻ってください。それじゃ、みんな!行くよ!」


「「「「承知!!♡☆」」」」


「よろしくお願いします!みんな〜!」


 カグヤ様号ジェットバージョンだと1時間くらいで到着しそう。さすがです!


 あっという間に、見えてきましたよ!イースタウン!

 今回は終始隠密状態だから、そのまま街に入っちゃうよ!


「カグヤ様!お城の前の広場に降りて!」


「おーけーけー!」


「ここからも隠密キープで行くからね!

 モニカとエマは、MPに気をつけて!

 カグヤ様はお疲れ様でした。肩に乗って!」


「「「「承知!!♡☆」」」」

「さんきゅ!」


 まずは順位一位のお城、つまり第一王女のミラ様の居城である。


「ここからはちょっと強引に行くからね。

 素通りできるところは、そのまま通過、ダメなところは、僕が覇気を使う。行くよ!」


「「「「承知!!♡☆」」」」


 建物の地図にあらかじめルートを書いてくれてるんで、結構スムーズに突入している。

 ただし、姿を消してるだけなので、人がいる場合や扉を開けるときには、慎重に進んでいるので、それなりに時間がかかる。


「寝室にはいないようだね!」


 あれ?どこの部屋にもいないやん!


「お城にはいないみたい。

 次の建物に行こう!」


「「「「承知!!♡☆」」」」


 次は第二順位の代官の屋敷。

 お城よりこっちの方が人が多いな。慎重に行こう。


 何やら会議っぽいことをしてるんで、ちょっと盗聴してみた。あの人が代官か。


「お代官様、エマ様はまだ見つかってないみたいですね。」


「どうせ、西の山に入ったんだ。その辺で、もうのたれ死んでるんだろ。あそこじゃ、遺体も見つからん。」


「そうですね。ウェスタウンのお代官様からも文で行方不明とのことですからね。

 エルザとかいう護衛と2人で逃走したらしいですから。

 エマ様を連れてじゃ無理でしょうな!」


「ところで、準備は進んでるのか?」


「はい、東側はもともと、こちらの息がかかったものが多いので、心配いりません。

 西側もウェスタウンのお代官様がエマ様の名を使ってからは、調略も順調に進んでいるとのことです。

 こちらがそのリストになります。」


「ほう!これは順調だな!

 おい!お前!このリストをわしの部屋の机に置いておけ!」


「はい、ただいま!」


「王女様の方はどうですか?」


「あれは放っておいても構わん。

 事が終われば、皇王様にしてやるんだ。

 それで納得するだろ。」


「それはそうですな!

 これでカナール皇国も私たちも安泰ですな!」


「そうよ!お主らも悪よのう!」


「「「「「はっはっは!」」」」」


 なんじゃこりゃ!

 ベタベタな時代劇見てるみたいやな。

 ベタな悪代官発見しました!

 しかも、ウェスタウンって、エマのところにも、悪代官がいたんかよ!


 ただ、これで辻褄があったな。

 1ヶ月もエマが行方不明になってるのに、王都の誰も、その事実を知らなかった。


「エマ!大丈夫か?」


「うん、ちょっとだけ抱きしめてくれる?」


「承知。」




「落ち着いたか?」


「うん、お頭!リスト取って来ていい?」


「あー、そうしよう!」


 許せないやろうな。こんな展開は予想してなかった。証拠を持って帰らないとな。

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