第14話 ふかふか快適生活?

 そろそろ移動しよう。

 見渡す限り、ここには、木と草しかない。


 なんにもない♪

 なんにもない♪

 まったく、なんにもない♪


「カグヤ様、ハガネさん、コガネさん、そろそろ移動して、村か街を探しに行こうと思うんですけど。

 出来れば、日が暮れる前に見つけたいです。」


「そうですね。移動しましょう!」

「うん!賛成!」


「せやな。マサユメ!MP減ってないやろ?」


「そうですね。減ってないです。」


「せやから、このあともそのまま口寄したままにしといてや。解除したらあかんで。うちもこのまま、一緒に行動するさかいにな。

 普通やったら、口寄したら長いこと居られへんのやけど、小僧が過保護なおかげで助かるわ。」


 また、小僧扱い。こっちの神様って何歳くらいなんやろ?


「ほんじゃ、うちは大きゅぅなるさかいに、ちょっと離れといてや。」


「「はい!」「うん!」



「ほな、膨張!」


 うわー、すごい。見る見る巨大化していく。



「これくらいで、ちょうどええやろ。

 あんた達、うちの背中に乗ってええでぇ!ふかふかで快適生活や!最高級マットレスも草生える!っちゅうねん!

 あ、それとマサユメは、乗ったら、うちに密着するんやでぇ!密着エナジーチャージしとかんと、うちのMPが枯渇して、真っ逆さまに、落ちてデザイヤ!になってしまうさかいにな!頼むでぇ!」


「はい、わかりました。

 あのー、カグヤ様、僕のことは、ユメって呼んでもらえますか?ずーっと、そう呼ばれてたので、そっちの方が居心地がいいというか。」


「そうか。そしたら、そうするわ。ユメ!」


「ありがとうございます!」


 はい、なぜマサではなく、ユメかというと理由があって、僕の家系は、男子は代々、服部正○と、名前の頭に“正”が付く。

 なので、家族や親戚の中で、マサと呼ぶと全員振り返ることになり、さらに、マサユメと呼んだ場合も、紛らわしいことになる。

 なので、代々、名前の下の方で呼ばれることになり、近所でもユメくんとかユメと呼ばれ、学校でも、自然とそう呼ばれることになる。

 大学や働いてからは、服部って呼ばれてたけど。


「わー、ふかふかなんだよ!」

「わー、ふかふかですね。」

「うん、これは快適やね。」


「ほな、行くでぇ!ユメはちゃんと密着しときやー!ハガネとコガネもしっかり捕まっとくんやでー!」



「うわー!すんげぇ!飛んでる〜♪」

「うはーー!あはは!気持ちいい〜!」

「すごいです!登ってゆくです!」



 ついに移動開始です!

 ふかふかと幸福のサンドウィッチの旅!

 レッツ・ゲット・ナウ・ロマンティック!

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