恋を教えてくれた君へ…

@non728

日常

〜美羽side〜





高一の5月





pppp,pppp,





6時に設定した目覚ましの音が、寝室内で鳴り響く。





カチャ





手探りで目覚まし時計を探し、アラームをとめれば、





まだ完全にはあいていない目を覚ましに、洗面所へ直行。





冷たい水が、ぼやけた意識をはっきりさせる。





昔できていた目の下のくまは、今ではすっかりなくなり、綺麗に。





昔と違って、ぐっすり眠れているし、私の日常も安定してきているのだろう。





2分もかからないはやさで制服に着替え、





お腹は空いていなかったため、朝ご飯は口にせず、そのまま洗面所で歯磨きを済ませた。





髪はいつも通り結ばない。





適当に櫛をかけて、右耳の上に邪魔にならないよう、2本のアメピンを×印に交差させれば完璧だ。





これで私の朝の準備は終了。





たった10分で学校へ行く支度を終わらしてしまった私には、





まだ、80分(1時間20分)程、時間が余っていた。





暇だ。何をしようか。





ソファーで横になりながら、充電中のスマホで、SNSを確認する。





せっかくアイロンして、綺麗になった制服も、





あっという間にしわくちゃになってしまった訳だが、そんな事は気にしない。





スクロールする指をはやめれば、不意に流れてきた好きな男性アイドルグループの曲。





いい曲調と歌詞なのだが、





まるで自分を表しているかのような歌詞に、心が痛んだ。





それでもやっぱり、素敵な曲なんだよなぁ。





自然とあがっていく骨格





昔からずっとそうだけど、こうやって好きな事に浸っている時だけは、





嫌なことも忘れ、





幸せな気持ちになれる。





だけど…、時々思ってしまう。





このまま目の前にある現実から逃げたままでいいのだろうか。





正直、前を向かないといけないことは自分が一番分かってる。





分かってるけどっ____





まだあの時の出来事が忘れられるはずもなく、





向き合う事すらせずに、ずるずるとひきづって、





何年経ったのだろうか。





時間は待ってくれないから、





私だけが遅れていく。





ねぇ、____。





私は一体、どうしたらいいんだろうね。

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