声優さんの矜持

自分があまり詳しくない職業について覗いてみよう、くらいの軽い気持ちで読み始めたのですが、胸にくるものがありました。小林さんの引退の話が興味深かったです。小林さんほどのキャリアがあれば衰えていても引退せずに最後まで次元大介の声優を続けられたと思いますし、周囲の誰もそれを咎める人はいなかったと思いますが、そういった選択を取らなかったのは、声優業のプロとして衰えた自分を許せなかったからなのではないかと思いました。

衰えて思うようなパフォーマンスが出来なくなった時、騙し騙し続けずにキッパリと辞めるという選択肢を取ったことに小林さんのプロ魂を感じました。小林さんは力が衰えて引退はしたものの、最後の最後まで声優という仕事に対するプライドだけは最後まで無くさずに持ち続けていた。自分はそのように捉えました。