第13話
「遅刻とは余裕があるようだな」
思いっきりシズカのせいです
あいつなんか歩いてるだけなのに、俺の走るスピードより早いんだよ
競歩の選手になったらどうだろうか
それにしても、記憶違いか?
担任が校長?
いや、違うはず
流石の俺だって担任くらい覚えてる
名前は忘れたけど
もっとナヨナヨしてる先生だったはずだ
「今日は、担任が休みだからな。私が代わりに来た。お前の席は左奥だ。シズカはその隣だ」
「はい」
俺は、一番前に座って落胆しているケンタロウとそれを隣の席で慰めるシノブを見て思わず声を出して笑いそうになるのを抑えた
自分の席に行こうとするとコソコソと何か言われているのを感じる
タイムリープ前、俺はクラスでの評判は二つに分かれていた
調子に乗っているボンボン
それと、シズカにつきまとうクズ
つきまとうって何だよ。
近くにいるのが側近だろ
大半は、シズカファンクラブからの嫉妬だった
だが、しかし
そのファンクラブは俺がふざけてケンタロウと作った
自業自得とも言える
ファンクラブを作るか否か
「若。若の番ですよ」
え?なんのだ?
なんで、俺の方を見る?
「自己紹介ですよ」
なるほど、第一印象が大事だ
前回の俺はどうしたっけ?
まぁ、普通でいいか
「マサトです。趣味は射撃。1年間よろしくお願いします」
俺はそのまま座る
そのままシーンとした空気になった
ああ、思い出した前回の俺は滅茶苦茶緊張して何も言わなかったんだった
それを色々勘違いされたんだった
「じゃあ、次」
前回も同じような反応だったからな
まぁ、然程影響はないだろう
次にシズカが立つ
「シズカです。よろしくお願いします」
とても綺麗なお辞儀をしてから座る
すると男性陣から「おお〜」という歓声が上がる
流石、シズカ
「射撃なんてしてるところ見たことないんですが」
あっ、やば
当時の俺、グータラして死ぬほど暇な生活送ってたんだった
「嘘だから気にするな」
「・・・そうですか」
不満げな顔をしたシズカが姿勢を正し、前を向く
凛とした表情をしてまっすぐ前を向いていた
俺は、その懐かしい姿を見て微笑んでしまうが
頬を叩き、集中する
さて、今後どうやって立ち回るか
他の奴らには悪いが
俺は自分の評価は上げるつもりでいた
使う未来改変の一つだった
自分が変わるだけなら他には影響が出ない
俺は、今までどうしようもない落ちこぼれで御三家であるがためにこの学園に生き残っていた
それを変える
最初の目標は、生徒会
学園で最も動きやすい立ち位置に立つ
まぁ、簡単なことではない
それは、記憶を持っていない場合だ
座学は学校を退学したといえど、ちゃんと勉強していたから、大体覚えている上に銃なら誰にも負ける気がしない
それに成績は十分だろう
だが、裏に回れなくなる
何をしても目立ってしまう
それに忙しくなることは確実
動きたい時に動けない可能性がある
そこを考えると目立たず平凡に過ごした方がいい気もする
俺は座っている椅子をゆらゆらと揺らし、溜息をつく
目的がわかっていれば、こんなこと考えなくていいんだけどな
あいつのいう世界を救うの基準がわからない限りどう動くべきか
俺が真面目に考えているとシズカがこちらを見てることに気がつく
シズカは俺と目があったことに気がつく少し近くに体を寄せてきた
「トイレ我慢されてるのですか?」
と小声で聞かれる
んなわけないだろ
・・・・あぁ、何かもう馬鹿らしくなってきた
俺はこれから好きに生きよう
拘束されるのが嫌で家を出てハンターになった俺が生き方に悩むなんてらしくねぇわ
世界が滅んだって俺を選んだあいつらが悪い
俺が少し笑うとシズカは慌てて
「もう手遅れですか?」
と聞いてくる
「いや、漏らしてもないし我慢もしてないからな?」
「でも、なんかスッキリした顔してますよ?」
「気のせいだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます