第31話 彼岸の橋

あまりにも複雑な歩道橋で迷いに迷ってしまってしまい「そんなところがあるはずないだろ」という友人達が助けに来てくれたが私以外全員帰ってくることが出来ず結局あの歩道橋はなんだったんだろう?


やっと何十年も経ってこの短い文章を書けた。

彼らの親が全員亡くなったからだ。


目の前にはあの歩道橋がある。

あの日と同じ濃霧で、くすんだ薄緑の階段以外は視認できない。

私は一歩踏み出した。

これ以上彼らを待たせていられない。


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