第20話 外はさらなる外へ
『ここから入ってはいけないよ』
まるで私たちが内側に入りたがっているように彼らはいう。
もう遅いのに。
もう違ってしまったというのに彼らはいう。
彼らは彼らのためにいう。
彼らは彼らの正しさを強く認める。
彼らは彼らの強さのために戦う。
私たちは私たちの憧れた美しさのために嘆く。
確かに私たちの居場所は失われた。
彼らの居場所は残されている。
だがどれだけ彼らが認めなくても『我々』の死に場所だけは同じなのだ。
私たちはもう繋がることもやめる。
彼らの、私たちの子孫はもう生まれない。
その時ようやく世界は真実を晒し、変わろうとするのだ。
もう遅いというのに。
了
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