「残酷描写」に「子ども」を使うこと

日本推理作家協会編著『ミステリーの書き方』の中で宮部みゆきさんが書いてたんじゃないかなと記憶してたんですが、違いました。


宮部さんが「執筆する中で、絶対にしないと決めている」こととして上げているのは、「必要のない残酷なシーン書くこと」で、「子どもが可哀想なシーンに遭遇しないようにすること」が秋月達郎さんでした。


前回、エロの発露でしかない男性向けラブコメを生理的に受け付けないと書いたので、もうひとつ、受け付けないものを書こうと思う。


子どものグロ。


とても苦手です。

生理的になんとも言えない嫌な気持ちになる。


私自身『リアル・ミー』という作品、確か最新話で赤ん坊が亡くなってるシーンを書いてるんで、


https://kakuyomu.jp/works/1177354054894878279


程度の問題かなと思いますし、話の展開にもよるんでしょうが、子どもが残虐な目に合ってるシーンを執拗に書き続けてる作品については、そこで読むのを辞めちゃったことがあります。


完膚なきまでに救いようがない表現を平気で長々されているのはちょっと。。。


そういう表現のラインの引き方ができないのは感性かなぁと思ってしまって、私には難しいかな。


話の展開に不必要な残虐シーンはなくてもいいかもですね。

基本的に猟奇的な方でない限り、読んでいて気持ちのいい方は少ないと思うので、必要なければ不快な描写は切っていいんじゃないかと思います。




そういえば、ちょっと「グロ」からは話が逸れるんですが。


話の展開に不必要な描写であるとか、シーンとかをわんさか入ることについて話したくなった。

閑話休題的な話とか。


2パターンあって。

ひとつは、話の展開とか考えてなくて、思いついたまま順に書いてるんだなと。

2つ目は、単純に書くのが好きなのかなって解釈してます。


前者については、結末考えてから書いてほしいなと、思いながら読んでます。

超長編に多いんですが、タラタラタラタラ、起伏なく話が続くの。

もちろん、起承転結のまとまった展開もない。


キャラ萌えなのかもですが。

作者が好きなレベルで、赤の他人がキャラに萌えることって珍しいかと。


私は美容師じゃないっつーの!

雑談に次ぐ雑談……時間も区切られてないから、もー、作者・オン・ステージでオチのないお喋りがエンドレスで続くの苦痛でしかない。


読者に伝えたいこととか。

感じてほしいこととか。

せめて、読者が気になる謎散りばめとくとか。


そういう読者目線の気の利き方ができれば、全然違う作品になるんじゃないかと思ってます。


ゴールを決めて。

そこに向かって全集中。

起承転結があると読んでて飽きにくいかもって感じます。


ウェブ小説にはクールであるとか。

期限が特にないので、完結できるのであれば、完結しちゃう勇気を持ってほしいと思う。


後者からも、作者の作品に対する愛が伝わってきますが……とても分かりにくいっす。

読者への愛は感じにくい。


テーマとかコンセプトを強調するために、逆に端的にすればいいのに。


Photoshop習いたての新人のデザイナーさんとかによくある、効果つけすぎて、何を目立たせたいのかさっぱり分からん問題。


プラスするより、マイナスするほうが難しいって言うんですけどね。。。


伝えたいことの優先順位を明確にして、表現考えるといいんじゃないですかねぇ。


そのシーン。

その描写。


ホントに必要???


これはゴールとか、コンセプトが明確でないと推敲できないことだと思う。

これも読んでて、書籍化されている作家さんには感じたことがないかも。

展開や文章に気になるほどの無駄はない。




結論を、端的に。


私がディレクションしてたのが広告だからだと思う。

瞬時に有用な人に商品が伝わり、いいイメージを持ってもらうことをよしとした価値観でつくるもの。


これ、例えば、小説タイトル考えるのに近い。


なので、小説の内容とはまた違うと思ってますが、それでも読者への愛は忘れないでほしいと感じることがある。


あなたにまったく興味のない読者が、あなたの作品を初めて読んで、どこにひっかかって、何を楽しみに時間を使って読んでいるのか――


そこに思いを馳せられたら、また違う作品ができるかもしれません。

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