僕の部屋で、僕のベッドの上で、僕のパンツを嗅ぎながら僕の名前を漏らしている僕の姉が、僕にみられちゃいけないことをしていた。

深谷花びら大回転

第1話 僕の姉が僕の部屋で……

 突然だけど自己紹介をさせてもらうね。僕の名前は桐島きりしま郁太いくた。喋るのはあまり得意じゃないけど心の中ではベテラン司会者、ド陰キャ以上普通以下、平均に憧れる4軍男子で高校1年生だ。


 そんな僕には自慢の姉がいる。桐島きりしま真希まき、同じ高校に通っていて歳は二つ上、現在高3の代だ。


 僕のような4軍男子と違って真希ネエはクラスの、学年の――学校の人気者だ。


 才色さいしょく兼備けんびという四字熟語の定義のような人でありながら、決して自分におごることなく、他人への思いやりを忘れない人徳溢れる一面も持ち合わせているまさに完璧人間だ。


 僕の尊敬する真希ネエの素晴らしさはそれだけでは終わらない。真希ネエは――――いや、今は悠長ゆうちょうに姉語りをしてる場合じゃない。


「郁ちゃん……」


 僕の目に映っている光景は現実か幻か。


 ――真希ネエは僕の部屋で、僕のベッドの上で、僕のパンツを嗅ぎながら、僕の名前を漏らしていた…………オ〇ニーを、していた。

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