【怪奇】引きずりこまれると噂の鏡に、引きずり込まれるかと思ったら逆に引き抜き出してしまった件
ふきゅい。
第1話 プロローグ――恐怖の噂
僕の名前は
だが……そんな僕も人間関係などからストレスを抱え混んでしまい、いっそのこと
仕事をやめようかと悩んでいる。
深夜にスマホをつついていると大変興味深い記事が目に入る。
「「絶対に真似してはいけない!この世から簡単に消える方法」」
あまり怖い話は得意ではないが、その時は単なる興味本位でその記事を開いた。
「「 ”引きずり込まれる鏡”は実在する。 みなさんも一度は見たことがあるのではないだろうか……その噂は実は本当なのだ。引きずり込まれる方法を記しておきます。
1.鏡の前に立つ
2.鏡の前で「アヴォレ・カヌュベラーナ」と3回唱える
3.鏡に両方の手のひらをつける。 」」
……という話だった。そんな話が有る訳がない、そもそも物理的に鏡に引きずり込まれるなんて……あるはずは……ない…
気づけば僕は鏡の前にたっていた……目の下にはくっきりとクマはできており、自分の顔が老けて見えた。
「この記事がホントなら……楽に…」
このときすでに僕は精神状況が不安定で、物事を冷静に判断する能力は著しく低下していた。
「アヴォレ・カヌュベラーナ、アヴォレ・カヌュベラーナ、アヴォレ・カヌュベラーナ」
僕は手順通り呪文を3回唱えた。そしてゆっくりと手のひらを鏡につける……!
「「グニャァァア!!」」
突然、鏡が波打ちだした。どうやら噂がホントだったらしい……
そして水面のように波打つ鏡から本来映っていた”僕”が手を伸ばして来る……!
「「ガシッッ」」
しっかりと腕を掴まれる。引きずり込まれる恐怖より、両親への申し訳なさが勝っていた。今までの思い出が走馬灯のように蘇る―――
「まだ、こんなとこで人生あきらめてたまるかぁぁあああああ!!」
僕は人生で初めて大きな声を出し、力を振り絞った。
◆
――あれからどれくらい経ったのだろう。
少し意識が朦朧としている……体には力が入らない。
「ここは……家?」
どうやら鏡に引きずり込まれるのは奇跡的に回避できたらしい。力を振り絞り体を起こす……
ふと横を見る。
「……ぇぇぇえぇええええええ!?」
そこには自分にそっくりな男が横たわっていた。
「ま、まさか……?」
どうやら僕は引きずり込まれるかと思ったら逆に引き抜き出してしまったようだ。
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