ビスクドールをめぐる人形劇

ジュン

第1話

「ビスクドールってなんだ?」

僕の頭の引き出しには、「ビスクドール」なるものはなかった。

僕は、キンモクセイの匂いを嗅ぎながら、思った。

「『ビスクドール』を検索するのは、メンドクセイ」

キンモクセイの甘い香りと違い、ビスクドールはメンドクセイの苦い香りを放っていた。

「『ドール』って付いてるから、人形の一種だろうな」

「『ビスク』ってなんだ。『ビジネス-ライク』の略か?」

「きっと『ビスクドール』というのは、ワーカホリックのロボット人間のことだな」

「『そうだよね、マリア』。僕は知人にもらった、アンティークの人形にそう、つぶやいた」

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ビスクドールをめぐる人形劇 ジュン @mizukubo

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