第10話 片隅に生えた地獄草

 ダンスそれは生を表現する古来より伝わる芸術である。

 殺法それは他者を死に追いやる古来から伝わる武術である。

 

 「くそ!メイスと阿波踊りを融合するなんて、ここにポールがあれば…」

 ポールダンスと地獄突きの融合技「ブッチャー」の使い手であるマリリン珍法は、既に場外ギリギリまで攻められていた。

 「我々チャコ4兆年の歴史を誇るサマーソルト阿波踊りに手も足も出せまい!」

  もはやここまで、珍法の脳内では走馬灯が見えたり隠れたり、たまに街に降りては田畑を荒らしたりしていた。

 

 「てめぇミニスカの丈が長すぎるんじゃねぇか!うちの組の決まりは3cmなんだよ!」


 「そんな見つめられたら、毛穴が塞がってターンオーバーできないじゃないか」


 「なに?そんなポエムごときでポエム家業を継ぎたいだと!甘ったれるな!」

 「父さん!俺のポエムを聞いてくれ!」

 「そんなポエム、精子でも書けるわ!!」


 「告白されたのは嬉しいんだけど、ごめんなさい!宗教法人の定款に名前が書いてる人とは付き合うなって親に言われてるの!」


 「パンストを履きたいだ!?甘ったれるな!ミニスカで十分だろ!」

 「ごめんね珍、規格外の大きさの綿棒しか買ってあげられない週2バイトの母ちゃんで!!」

 

 「え!?浜崎あゆみのモノマネしてくれないの?じゃあ生き埋めね!」


 あゝすみませんでした、モノマネします。

 「ウチやでぇぇ!!」

 え?これは倖田來未?

 すみません、もう固めの櫛で頬とかを叩かないでください…

 ハッ!!?

 その時、珍法は思い出した。

 「最近、メヤニとか出ないなぁ…」

       (終わり) 

 

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