第14記:続篇

 浴室に行き、温水を浴びた。居室兼寝室に焼酎と氷と炭酸水を持ち込み、酎ハイを作った。近年は、いわゆる「家呑み」の機会が増えている。財政難が最大の原因だが、つまらない店でつまらない酒を呑むぐらいなら、自宅で呑(や)った方がまだマシ…という説もある。マシだし、気楽である。酒肴(さかな)はコンビニ惣菜で充分だ。最近の俺は、あんまり贅沢を求めなくなった。


 炬燵に入り、もうひとつの愛機、ニンテンドーDSを起動させた。酎ハイを呑みながら、エルミナⅡの続きをやった。冒険2周目も大詰めが近づいている。だが、最終決戦の前にやることがひとつある。ブラン砂漠のどこかにいる「四賢者の一人」に会わなくてはならない。

 部隊編制は依然「戦士・神女・忍者・召喚師・司教・盗賊」である。戦闘を重ねる内に、悪くない組み合わせだと気づいた。それにしても、これほどにマリオ(召喚師)が使えるやつだとは考えていなかった。

 現在の持ち駒は「カゲロウ」「ノーズタイラント」「アークメイド」「イヌガミ」「マーメイドクィーン」「フェニックスクィーン」「ハタモト」の計7種類である。特にノーズタイラント(巨象)の暴れ振りが痛快である。


 後衛のバジン(司教)に『ヴォーパルサンガ』を装備させる。このミサンガをつけると、斬首機能が追加されるのだ。発動確率は一応5%だが、意外に「出る」のである。まるで、相手のお株を奪うかのように、忍者系の「首をはねた」こともある。司教は原則魔法屋だが、防壁代わり(?)に、前線に立たせるというやり方もある。その際は、両手に盾を装備させると良い。


 洗面所に行き、歯を磨いた。磨いてから、水で薄めた嗽液で口中をすすいだ。居室に戻り、円盤(DVD)再生機の電源を入れた。自動的に『続・深夜食堂』の再生が始まる。2016年に公開されたもの。まさかと云っては失礼だが『深夜』が映画化される(それも2度も)とは想像もしていなかった。


 小林薫も「豚汁屋のマスター」が定着した(してしまった?)観がある。当り役は俳優にとって大きな財産ではあるけれど、小林さんには色んなキャラクターを演じて欲しいというのが、俺の希望である。さすがは劇場版、ゲストの顔触れも豪華である。佐藤浩市の詐欺師芝居も見物だが、蕎麦屋の息子に扮した池松壮亮がいい。噂には聞いていたが、その進境に驚かされた。〔2月11日〕

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る