闇塚日記〔4〕

闇塚 鍋太郎

Daily Records Part 4

籤引渡世篇〔2018年の日記〕

第1記:大金鎚

 2018年最初の仕事が終わった。更衣室に行き、着替えを済ませた。職場を出て、一番近い駅に向かった。腹が減っていたが、我慢した。

 帰宅後、温水を浴びた。体を拭き、服を着た。居室に焼酎と氷と炭酸水を持ち込んだ。酎ハイを呑みながら、ラジオを聴いた。まったく平穏な時間である。元日の夜は静かに更けて行った。


♞元旦労働は俺にとって珍しいことではない。


 翌日の起床は「朝の8時」になった。洗面所に行き、顔を洗った。台所に行き、湯沸かし器にミネラル水を注いだ。室内に吊るしておいた脱水衣類をバルコニーの物干し台に移した。

 沸き立ての湯でインスタントコーヒー(キリマンジャロ)を淹れた。昨日コンビニで買った「ミルク風味豊かなカスタードホイップデニッシュ」なるものを食べながら、熱いやつを飲んだ。食後、2杯目(モカ)を淹れた。


 居室に行き、ニンテンドーDSを起動させた。タモリさんが主役の町歩き番組を(ラジオで)聴きながら、エルミナⅡの続きをやった。コントラキオは広大な迷宮だ。出現魔群も最強クラス。宮内には凶暴凶悪なモンスターがウヨウヨしている。さしもの機械獣部隊も、難戦を強いられる場合もあるが、その分、入手できる財宝(おたから)も貴重なものが多い。

 今日は「エントライー」を獲得した。破壊力抜群の大型鉄鎚だ。後列の敵を攻撃できる点も良い。この武器を扱える職業は男性戦士のみである。使う者を選ぶ超業物と云えるだろう。ガラダか、トロスか、刹那迷ったが、後者に装備させた。この二人の竜戦士は、我が遊撃隊の「大和と武蔵」である。


♞「大和と武蔵」という表現が好きな男である。同種として「飛車と角」がある。


 シャットダウン確認後、身支度を整えた。最後のカギをかけてから、自室を離れた。通路を進み、階段を下る。近傍のスーパーを目指した。昨日はさすがに休みだったが、今日はやっている筈だ。車道沿いに伸びる細い道を歩きながら、草随筆の文案を練った。

 スーパー到着。驚くべきことに、食べたいものがひとつもない。だが、手ぶらで帰るのも、ちょっと癪である。焼酎1本とミネラル水2本を篭に入れ、勘定場に運んだ。家に戻り、愛機を再び起動させた。ぴよぶっくを呼び出し、二の丸の編集に没頭。555次元「ダイモンが来た」を投稿した。〔1月2日〕


♞ダイモンとは『妖怪大戦争』の敵役の名前である。

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