第106話 楓と葵の乳比べ選手権?

 



 ◆かえで視点




「ふわぁっ!? かえでねーたん、おいちそうなの!」

「エルちゃん落ち着いて♪ ほら、お洋服にクリーム付いちゃうから」


 フルーツの盛り合わせと苺のパフェが運ばれて来ました。フルーツの盛り合わせはメロン、イチゴ、パイナップル、バナナ、キウイ、ブドウ、マスカット、オレンジ、グレープフルーツ、マンゴー等沢山の種類の果物が美しくカットされておりボリュームも満点です。


 苺パフェも新鮮で瑞々しい苺が、所狭しと敷き詰められており生クリームと苺のソース、シャーベットが沢山乗っていてまるでお城の様です♪


「果物もサービスしといたよ〜うちも少しは繁盛しないかなぁ〜まあ、どうせ今日も暇だろうけど」

「佳奈ちゃんありがとね〜でも流行りそうな感じはするけど、このお店そんなにお客さん来ないの?」

「うん、多分うちの愚兄が影響してるんじゃないかな? だって......ほら」


 佳奈ちゃんの視線を目で追って見ると......


「こ、この縛り心地......良さみが深すぎる! これは革命だ! あぁ♡ 私を汚物を見るかのような視線......ゾクゾクしちゃいますぅ♡ 差し支え無ければエルお嬢様に踏んで頂きたい! 私の顔をその綺麗な足で踏んで欲しいのです!」

「ふぇ!?」


 うわっ......ただの変態じゃないですか。これはエルちゃんを近付ける訳には行きませんね。我が家の小さなお姫様が汚れては一大事ですので。


「楓ちゃん、ちょっと待っててね。お兄ちゃんうるさいから、少し黙らせてくる♪」


 佳奈はどこからとも無くフライパンを取り出して、躊躇無く兄の頭をフライパンで殴った。


「エルちゃん、あっちは見ちゃだめよ」

「んにゅ?」


 私はエルちゃんの目を隠して、葵ちゃんはエルちゃんの耳を押さえてくれました。エルちゃんには少し刺激が強いのかもしれませんのでね。


「あふんっ......♡ も、もっと!」

「この変態が! お客様が居る前で何してんのよ!」

「ああああああああぁぁぁ♡ 脳汁が出ちゃう♡」


 何だか凄い光景ね。佳奈ちゃんのお兄さんは、相当な変態......いいえ、個性が強いお人ですね。見なかったことにしよう。


「ふぅ〜終わった♪ うちのお兄ちゃん、後でメリカリで出品しとこ♪ 1万円で売れないかなぁ〜」

「佳奈ちゃん、お兄さんをメリカリで売るのは規約違反だよ......後、お兄さん大丈夫なの?」

「あぁ、大丈夫だよ。ほら、幸せそうな顔で気絶してるよ♪ お兄ちゃんはトラックやお年寄りの方が運転するプリ〇スミサイルを喰らってもピンピンしてたからね」

「お、おお......それは凄いわね」


 妹の佳奈ちゃん......お兄さんに対してかなり厳しいですね。佳奈ちゃんはサイコパスの素質があるのかもしれないわ。


「それに〜お兄ちゃんを簡単に始末する訳無いじゃん♪ お兄ちゃんには沢山保険掛けてあるけど、どうせ始末するなら保険金が降りるように謀殺して、マネーを受け取った方が合理的だよ〜うふふ♡」

「佳奈ちゃん落ち着いて、昔はお兄ちゃんLoveだったあの佳奈ちゃんに一体何が......」

「え、私は今でもお兄ちゃんの事愛してるよ♡ 血の繋がりはあるけど、将来愚かなお兄ちゃんの子を産んであげるつもりだよ♪ お兄ちゃんの性欲を管理するのも妹の務めなの。絶対に私以外の女の子の中に出させないわよ♡ それに、どうせお兄ちゃんは定食で付いてくるパセリの様な存在だからね。私が食べて上げないとお兄ちゃんは捨てられる運命......えへへ♡」

「佳奈ちゃん......」

「やだなぁ♪ 冗談に決まってるじゃん。私は至って普通で健全だよ♪」


 その割にはかなり目が本気でしたけど......この子は危ないわね。


「カラン〜コロン〜♪」


 店内に来訪者を告げる音が鳴り響く。荷物を持った宅配便のお兄さんがお店に入って来たのだ。佳奈は笑顔で出迎えて応対をする。


「どうもー! ホモネコ急便です! お荷物をお届けに参りました!」

「あ、ご苦労様です♪」

「では、こちらに受け取りのサインをお願いします」


 あらあら、エルちゃんが早速フルーツを摘み食いしてますね♡ 小さなお口でパクパクと美味しそうに食べる姿を見るだけで癒されるわね♡


「はむ♪ もぐもぐ......おいちい! かえでねーたん! きいろいのおいちい!」

「これはパイナップルと言う果物さんだよ〜こっちはキュウイ、これがブドウ」

「パイナチュ......プル? きゅうり?」

「うんうん♪ お姉ちゃんが食べさせて上げるね♡ はい、あ〜ん♡」


 私がエルちゃんに果物を食べさせようとした時でした。


「あ、それは私の荷物だな」

「やっぱりお兄ちゃんのか! 身に覚えの無い荷物だから何かなと思ったよ。また変なの注文したの?」

「ふふっ......我が妹よ! 聞いて驚くなかれ! 魔法少女★みくるちゃん特別Edition、完全受注生産のお値段4万8千円! あの有名な吉原氏が監修して手掛けた至高の作品ぞ!」

「この愚兄が! 今日から朝ご飯、昼ご飯、晩御飯無しね! またそんな無駄遣いして!」

「ま、待つのだ! 妹よ、それでは兄が飢え死んでしまうでは無いか!」

「100回くらい死んどけ!」

「妹のデレの無いツンデレだ!」


 あらあら、賑やかな兄妹ですね。お兄さんの遥斗さんは尻に敷かれるタイプかな。


「みくるたん?」

「おお! エルお嬢様もみくるちゃんがお好きなのですか?」

「んみゅ!」

「ではここで開封の儀を行いましょう!」


 早速届いた荷物を開封すると......


「ぬわああああああああああああぁぁぁ!?」

「ちょっとお兄ちゃんやかましいよ!」

「だ、だって......みくるちゃんの穿いているパンツがドロワース何だぞ!? 吉原氏の作品は、女の子のパンツの皺や模様に線までいつも拘って造られているのに......何故ドロワースを穿かせてしまったのだ! 吉原氏! 私はみくるちゃんのリアルなおパンツが見れると思って購入したんだぞ!?」

「その為だけに買ったの!? ああぁ......そうえば明日は燃えるゴミの日だったね......」

「お、おい......妹よ。何故燃えるゴミの袋を持って来たのだ? まさか......このみくるちゃんの高級フィギアを捨てると言うのか!?」

「お兄ちゃんを捨てるんだよ! このゴミ変態ウジ虫が! 来世はまともな人間に生まれて来い!」

「ぎゃああああああああああああぁぁぁ!?」





 ―――数分後―――





「楓ちゃん、葵ちゃん、エルちゃんごめんね......うちの変態お兄ちゃんがご迷惑を......何ヶ月か前に精神科に連れて行って見たのだけど、先生もお手上げだそうで......ぐすんっ」

「佳奈ちゃん、大丈夫よ。私も数多くの変態さん達を見て来たから、これくらい慣れてるよ♪」


 私や葵ちゃんは変態に対する耐性はカンストしてますからね♪ ただし、エルちゃんの可愛さに対する耐性はほぼゼロに近いですが......エルちゃんの中毒性は本当にやばいですよ!


「かえでねーたん! あーんちて!」

「うふふ♡ お姉ちゃんに食べさせてくれるの?」

「んみゅ!」


 もうエルちゃん事食べちゃっても良いのかしら? もう我慢するのも大変なのよ! エルちゃんはその穢れの無い純粋な笑顔で、私や葵ちゃんを悶え殺そうとして来るのです! 


「はむ♡ この生クリーム甘さ控えめで美味しいわね♡」

「楓さんありがとうございます! 良いなぁ......私もエルちゃんにあーんして欲しい♪」

「ちょっと! 私にもあーんしてよ! エルちゃん!」


 エルちゃんは罪な幼女ですね♪ 葵ちゃんや佳奈ちゃんもエルちゃんにあーんして貰おうとエルちゃんに詰め寄っています。エルちゃんはオドオドとした様子で、2人に食べさせようと口元へ持って行きました。


「はぅ......エルちゃんからのあ〜んで寿命が30年伸びたわ♡ お返しに佳奈お姉ちゃんが、あ〜んして食べさせてあげるね♡」

「エルちゃん? 佳奈お姉さんのあ〜んより私のあ〜んの方が美味しいよ?」


 佳奈ちゃんと葵ちゃんがエルちゃんの口元へ果物を持って行きました。私も便乗しちゃおうかな♡ だけど、私のは一味違うあ〜んですけどね♡


「エルちゃん、お姉ちゃんの苺......食べてみない?」

「ふぇ!? かえでねーたん!?」

「お姉ちゃん......正気か?」

「楓ちゃん......レベルが高すぎる。それは持たざる者には決して真似が出来ない神業......おっぱい領域!」


 楓は手に取った苺を何と! 自分の胸の谷間に挟んでしまったのだ! しかし、楓の胸の圧力により、苺がぷちゅっと音を立てて潰れてしまう。


「あら、苺が潰れちゃった......」

「おっぱいの圧で苺を潰す人初めて見た......」

「お姉ちゃん、食べ物で遊ぶのは駄目だよ!」

「ごくりっ......かえでねーたん......」


 これは確かに葵ちゃんの言う通りね。反省しよう......


「エルちゃん、お姉ちゃんの胸にある苺......食べてくれるかな?」

「ふぇ......!?」

「あ、楓ちゃんお盆いる?」

「あ、じゃあ頂こうかしら♪」


 佳奈ちゃんもニヤニヤと笑っています。葵ちゃんは頬を少し染めて、「お姉ちゃんのアホ......」と呟いていますね。エルちゃんを少し虐めるようで心苦しいのですが、エルちゃんの可愛い反応がみたいのです!


「エルちゃん♡ 【楓スペシャルセット......苺を添えて】だよ♪ 召し上がれ♡」

「はわわ!?」


 私は自分の胸をお盆の上に乗せて、エルちゃんの前へと近付きました。こうして自分の胸を改めて見るとかなり成長したなと実感します。お盆が隠れて見えない程に......


「今だけ、私もアホになろう。佳奈ちゃん、私にもお盆を」

「おお! 良いね良いね〜! 巨乳姉妹の仁義なき戦いですかい!」


 なっ!? まさか、あの葵ちゃんまで参戦して来るとは......しかも、葵ちゃんの方は自分の乳房に生クリームを付けています。乳房を生クリームで隠すとは......流石は私の妹。むしろ私が葵ちゃんのおっぱいを吸いたいわね。


「楓ちゃんも葵ちゃんも胸デカすぎるよ! 私にも分けて欲しいよ......」

「大丈夫、佳奈ちゃんもそのうち大きくなるから♪」

「ホントかなぁ?」


 さてと......エルちゃんの方を見てみると......


「ぼ、ぼぼ......ふわぁ!? や、やっぱひ......だめなの!」


 あらあら♡ 顔を真っ赤にさせて、壊れたロボットの様な反応をしていますね♪


「「さあ、エルちゃん......どちらを選ぶ?」」


 唐突に楓と葵の胸比べ選手権が始まったのであった。

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