第39話 エルちゃんVSシベリアンハスキーのゴンちゃん
◆
奏さん……急に固まってどうしちゃったんだろ? エルちゃんも奏さんの事をじっーと見つめております。何かお互いに通じ合っているのでしょうか? 何だか嫉妬しちゃう。
「エルちゃん……ぐふふ……」
「あ、あの……奏さん? 大丈夫ですか?」
「楓ちゃんも可愛いわ! 奏お姉ちゃんって呼んで良いからね!」
「えええぇっ!?」
まだ出会って数分しか経ってないのに、いきなり奏さんに抱きつかれてしまいました。突然の出来事だったので心の準備が……
「はっ!? あ、すみません! 私ったらつい……あはは」
「あ、あの……奏さん……」
奏さんはもしかしたら……私と同じこちら側の住人なのかもしれませんね。私も女の子同士でエッチな事するのと抱いてイチャイチャするのは、大好物なのでむしろ大歓迎です! そして、エルちゃんのお世話するのも大好きです♪ エルちゃんが可愛すぎてたまに……と言うか定期的にいじわるしたくなってしまいます。私にとって百合を一言で表すのならば……【人生】です。
「奏さん……良いですよ……私で良ければ……」
「え、ええ!? まさかのハグ返しですか!? うひょぉぉおっ!! 美少女ちゃんとのイベント発生ですか!?」
私はお返しにと奏さんの華奢な身体を優しく抱きしめました。やばいです……シトラスの良い匂いがします。見た目は清楚でお姫様みたいな雰囲気を醸し出している奏さん……私のタイプな女の子です♪ ベッドの上で虐めたらどんな声を出すのか物凄く興味がありますね。奏さんの堕ちた表情を見てみたいです。女の子が堕ちてイク表情も私は大好きです♡ 奏さんに私の胸を揉んでほしい……おっと、これ以上想像すると私がやばい人みたいになってしまいますね。私は至って健全ですよ♪
「楓さん……」
「奏さん……」
奏さんとはまだ出会って数分ですが、真の百合の前には時間何て関係無いのです。類は百合を呼ぶとも言います。しかも私の友達の明美よりも抱き心地が最高です! 奏さんと私で混ざりたい……欲を言えば、エルちゃんと葵ちゃんも混じえて4Pしたいです……あっ、言っちゃった。てへぺりんこ★
「お姉ちゃん! 奏さん! 2人とも落ち着いてよ〜ここ店の中だから……ほら、エルちゃんも何か言ってるよ」
「――――――!!」
私とした事が……葵ちゃんとエルちゃんに怒られてしまいました。私もスイッチが入ってしまうとどうにも……お姉ちゃんとして恥ずかしい限りです。それとエルちゃんがプンスカ怒りながら、私や奏さんに何か言ってる姿が非常に可愛い過ぎます! エルちゃんはナチュラルロリコンキラーです! エルちゃんにおしゃぶり咥えさせて、抱っこして頬っぺたにチュッチュしてあげたい気分です。
「「はぅ……エルちゃん可愛い……え?」」
何と奏さんと声が見事に被ってしまいました。これはもう運命なのかもしれません! 後で連絡先聞いておかなくてはいけませんね。
「――――――!! めっ!」
「あら? どうしたのエルちゃん? そんなプンプンしちゃって、おこでちゅか?」
私と奏さんの間にエルちゃんが、片手にきなこ棒を振り回しながら間に割り込んで来たのです。頬っぺたを膨らませながら奏さんの方をじっーと見ております。
「もしかして、エルちゃん嫉妬してるの?」
「――――――!!」
「あらあら、エルちゃんったら♡」
エルちゃんが私の足にしがみついて奏さんに何か言っておりますね。私が奏さんに取られると思ったのでしょうか?
そう考えると自然と口元がニヤけてしまいます♪ エルちゃんはお姉ちゃんっ子ですね〜
「エルちゃん、心配しなくてもお姉ちゃんは何処にも行きませんよ〜だから、落ち着いて♪」
「――――――。――――――?」
私がエルちゃんを抱っこしようとしたその時でした。店の奥から大型犬のシベリアンハスキーかな? 狼みたいなわんちゃんが私達の元へと近寄って来ました。
「あら、ゴンちゃん♪ この子はキララさんのペットのゴンちゃんだよ〜見た目は大きいけど、大人しくて良い子だよ♪」
「おおぉ〜! ゴンちゃん、私は葵って言うの♪ よろしくね♪」
「わふっ!」
葵ちゃんがシベリアンハスキーのゴンちゃんの頭を優しく撫でております。ゴンちゃんも気持ち良さそうにしてますね。
「私は楓よ〜よろしくねゴンちゃん♪」
「――――――!? ――――――!!」
「ん? エルちゃんどうしたの?」
エルちゃんが慌てて私の後ろに隠れてしまいました。チラチラとゴンちゃんの方を見ています。エルちゃんの長いお耳がピクピクと震えて可愛いです♪ もしかしてゴンちゃんが怖いのかな?
「エルちゃん、怖がらなくても大丈夫だよ〜エルちゃんも撫で撫でしてみる?」
「あぅ……」
私はエルちゃんを優しく抱っこして、ゴンちゃんの元へ近付きます。内心ニヤニヤが止まりません。エルちゃんが私の身体にしがみついて、上目遣いで私の顔をじっーと見ています。
「――――――!!」
「あ、エルちゃん暴れたら危ないでちゅよ〜♪」
ゴンちゃんの近くでエルちゃんを降ろしたら、エルちゃんが再び私の後ろへと隠れてしまいました。もう〜怖がりさん何だから♪ エルちゃんの行動一つ一つが愛らしくて堪らんです!
「「「エルちゃん……尊い……」」」
私達3人の声が見事に被りました。奏さんに至っては、目をハートにして息遣いが荒いです。これは不治の病、【ロリコン】の典型的な症状ですね。
「わふっ?」
「――――――。」
何と、ゴンちゃんを怖がっていたエルちゃんが、わたしの目の前に出て両手を広げながら何か話し掛けております。
「なるほど、エルちゃんはゴンちゃんを怖がってたんじゃなかったのね。恐らく、両手を広げて飛び込んでおいでと言ってるのかもね」
「そっか。エルちゃんもワンちゃんが好きなんだね♪」
私達3人は、エルちゃんとゴンちゃんの様子を暖かい目で見守る事にしました。
◆エルちゃん視点
「な、何で……魔物がここにっ!?」
僕達はかつて無い程のピンチに陥っておりました。美味しくて甘い食べ物を食べていたら、店の奥から突如、危険指定ランクC級のバドックウルフが現れたのです! この街に紛れ込んで来たのでしょうか……白と黒の毛並み。間違いありません。僕は昔、森に食べられそうな木の実や薬草を取りに行った時に遭遇した事があります。あの時は死に物狂いで逃げて、幸い無事に助かりました。こいつは危険だ……貴族のお姉さんやお姫様は、恐らく魔物の知識や危険性を知らないのかもしれない。知らないからこそ、こうして魔物と対面しても平気で居られるのかもしれぬ。
「ぐぬぬ……今日は何て日だ……お姫様も居るというのに…」
ここは僕一人で抑えるしかなさそうです。華奢なお姫様やお姉さん達に戦って下さい何て、男として……人間としてとても言えません。男なら、何が何でもお姉さん達を守るべきだ。
「わふっ……!」
「ヒィッ……!?」
くそ、思わず反射的に身体が動いてしまいお姉さんの後ろに隠れてしまった。何とも情けない……こんな風では、将来立派な冒険者にはなれないぞ。
「覚悟を決めるんだ……僕。伝説の杖は無くとも僕のこの拳で、ボコボコにしてやる!」
もしかしたら、僕の命も今日で最期かもしれません。ですが、お姉さん達を守る事が出来るなら……僕の命何て安いものです。
「覚悟しろ! バドックウルフ!」
僕はお姉さんの前に出て、決死の覚悟で両手を広げた。手足が怖くて震えます。でも、男には逃げては行けない戦いがあります。そう、今がその時なのです!
「わふっ……? ワンワンッ!!」
僕はお姉さんと出会ってから、毎日が楽しいし美味しい物も沢山食べれて幸せです。お姉さん達はこんな僕にでも優しくしてくれて、常に一緒に居てくれた。僕に温もりや心の暖かさをくれたお姉さんには感謝している。お姉さんはちょくちょく僕に意地悪して来たりもしますが、そこがまた愛らしくも感じます。
「お姉さん達……逃げて下さい。ここは、何としても僕が抑えます」
そして……僕は、ここだけの話し。お姉さんに一人の男として恋心を抱いています。今は小さな女の子の身体になってしまいましたが、気持ちは男です。本当なら、こんなスラム出身の卑しい僕が、お姉さんを好きになるなんて烏滸がましいのかもしれません。でも、自分の気持ちに嘘はつけない……お姉さんの事は僕が守りたい。
「お姉さん……実は僕。お姉さんの事が一人の男として、大好きです。お姉さんの笑顔や優しさに触れて行くうちに、お姉さんに惚れてしまいました」
「――――――?」
「もし、こいつに勝ったら……ぼ、僕と結婚してくれませんか?」
「――――――♪」
あ、あぁ……お姉さんにプロポーズしてしまった。でも、これが僕の素直な気持ちだ。
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