第19話 お邪魔します

 

「ふわぁ~ふぅ……あら、いつの間にか寝ちゃってたか」

「楓、おはよ~私も寝ちゃったよ。もう17時よ、夕方ね」


 3人でキャッキャッウフフな事をしてたら、3人とも見事に寝落ちしてしまいました。エルちゃんは私の身体に抱き着いて、スヤスヤと気持ち良さそうに眠っております♪


「あらあら♡ 涎垂らして寝ちゃって~美味しいご飯食べてる夢を見ているのかな?」

「エルちゃん本当に可愛いよね。でもエルちゃんも運が悪いよね、こんな変態なお姉ちゃんを持って」

「ちょっと!? 本人居る前で中々良い度胸しているわね。私は健全よ? 女の子同士キャッキャウフフするのは別におかしく無いと思うの」

「……私はもう突っ込まないわよ」


 しかし困りましたね。エルちゃんが私の身体に抱き着いて寝ています。これは私も一緒に寝るしかありません。


「楓、今日はそろそろ帰るわね。色々とありがと♪」

「こちらこそ、色々とごめんね。また来てよ♪ エルちゃんも喜ぶだろうし」

「うん♪ じゃあまた来るね!」

「は~い、またね♪」


 明美は服に着替えた後、荷物を纏めて帰ってしまいました。私はもう少しこのままエルちゃんと一緒に一眠りしようと思います。


「さて……部屋には私と眠っているエルちゃんだけ……」


 私は気持ち良さそうに寝ているエルちゃんの寝顔をじっーと見つめて、頬をぷにぷにと触ってみたり指先でつんつんとしました。


「すぅ……すぅ……」

「はぁ……はぁ……もう無理! エルちゃん!! ムギュっ! あっ、頬っぺにもチューしとこ♡」


 私は無防備な姿のエルちゃんの頬っぺたに何度もキスをしました。だって、可愛いだもん。


「――――――。」

「あらあら? エルちゃんのえっち♡ お姉ちゃんの胸はご飯じゃありませんよ~」


 エルちゃんが寝惚けながら私の胸の先端をパクッと咥えております。私はここで、代わりにエルちゃんの小さなお口に青色のおしゃぶりを咥えさせて見ました。


「ぐふ……ぐふふ……赤ちゃんみたいで可愛い♡ でもエルちゃんの年齢は幾つ何だろう?」

「すぅ……すぅ……」


 私はエルちゃんの正確な年齢は分かっておりません。何せ言葉が通じないのですから。でも言葉を発して居る事からして、恐らく小学生1年生辺りか幼稚園児くらいの年齢ではないかと推測します。


「まあ、そのうち分かると良いなぁ」

「むにゃむにゃ……んぅ?」

「あらぁ? エルちゃんおはよぉ♪ 良く眠れたかなぁ?」

「―――――――――。」


 エルちゃんはまだ何やら寝惚けている様です。上半身を起こしてから、私の方をボッーと見つめております。そして、エルちゃんは再び私の身体に抱き着いてまた眠ってしまいました。


「ディフフ……じゃあもう少しだけ一緒に寝ましょうかね♪」

「……すぅ……すぅ……」


 そして私とエルちゃんはお互い抱き合いながら、再び眠りにつくのでした。



 ◆



「ふぁあああ……ふぅ……ん? あれ、僕いつの間にか寝ちゃった?」

「すぅ……すぅ……」

「ん? 僕こんなの咥えてたっけ? これは一体何だろう……さっきもお姉さんに咥えさせられたけど……味もしないし何のために使う物なのかな?」


 僕の口にまたしても、謎の物……先端が柔らかくて、青い物を咥えておりました。


「お姉さんの事だから、きっとこれも何か意味がある筈……はっ!? もしや、これは修行なのでは!? これを咥えているだけで、僕は強くなるのかもしれない」


 謎の杖と同じ、マジックアイテムなのかもしれません。


「物は試しだ……咥えてみるか」


 僕は再び青色の先端がふにゃふにゃしたものを口に咥えました。


「んぅ……違和感しかない……やっぱ辞めとこ。やっぱ、そんな都合の良いアイテムなんて無いよね……」


 そして僕は名案を思い付きました。寝ているお姉さんの口にこれを咥えさせて見ようと思います。


「よし、これで完璧だ」

「――――――。」

「お姉さん?? あれ、もしかして今ので起きちゃった? んぅ?」


 僕はお姉さんの頬っぺたをつんつんして見ましたが、お姉さんは見事に熟睡している様です。目を覚ましたかと思い内心ヒヤヒヤとしました。別に悪い事はしていませんけどね!


「ふふっ……お姉さん可愛い♪」

「すぅ……すぅ……」


 僕は寝ているお姉さんの頭を優しく撫で撫でしました。お姉さんの髪の毛もサラサラしてて、触り心地も最高です! 絶世の美女とは、まさにお姉さんの様な人を言うのであろう。


「さてと、そろそろおしっこ行きたい……だけど……」

「むにゃむにゃ……すぅ……すぅ……」


 お姉さんが僕の身体を抱き枕みたいに抱いております。お姉さんの顔は何だか幸せそうです。僕はゴソゴソと動いて脱出を試みます。


「やばい……これはまたお漏らしコースなのか……お姉さん本当に寝ているのかな? 僕を抱く力が強いのだけど……」

「――――――。」


 僕はお姉さんの顔をじっーと見つめました。お姉さんは物凄く美人さんなので、何度見ても飽きません。優しくて、愛らしくて、何だか過保護な感じがします。僕にお母さんが居たらこんな感じだったのでしょうか。


「――――――。」

「ワプッ……ぐぬぬっ……お姉さん苦しいです……胸が……」


 僕は現在、お姉さんの巨大な胸に顔を埋めております。自分の意思ではないのですが、不慮の事故と言うやつです。もう、控えめに言って最高です♪


「お姉さんいい匂いしゅるの~♪ はっ!? そんなことしてる場合じゃ無かった。トイレへ行かなければ」

「――――――。」

「ぐぬぬ……んっ!! よし! 脱出成功!」


 僕は身体をくねくねとして、お姉さんの腕の中から脱出する事に成功しました。早速ベッドから降りて、部屋の入口へと向かいます。そしておしっこ済ませたら、また直ぐに戻ってお姉さんと一緒に寝るのです!


「確かここを引いたら……よし! 扉が開いたぞ!」


 僕はお姉さんを起こさない様に、そっと扉を閉めて廊下へと出ました。現在2階に居るので、隅っこにある2階のトイレで用を足します。


「それにしても、綺麗なお家だなぁ~」


 僕はテクテクと廊下を歩いて、2階のトイレの前まで来ました。僕は扉を開いて、お姉さんに教えて貰ったように蓋を降ろしてから、自分のパンツを脱いでそこに座ります。


「んふっ……スッキリ♪ 座りながらするのもまだ違和感あるな。さてと」


 ここからが問題です。女の子の身体になってからは、紙であそこを拭かないといけません。女の子のあそこはデリケートなので、慎重に拭かないと変な声がでちゃうのです。


「うぅ……慣れない……男の身体に戻りたいよ……」


 僕は泣き言を言いながら、何とかあそこを無事拭き終えました。


「確か、この壁に付いてるボタンを押したら水が出て流れるのだったけ?」


 僕は壁に付いているボタンを押したのは良いのですが、ここで問題が起きました。


「ぴゅゃっあ!? 暖かいお湯が出て来て僕のお尻に……ど、どうしよう。どうやって止めるのこれ!?」


 僕はもう一度押せば止まるかと思い、再びボタンを押したのですが、更に出て来たのです!


「はわわっ!? この十字みたいなボタン押せば良かったんだっけ?」


 僕は+ボタンを試しに押して見たのですが、更に勢いが強くなり僕のお尻にお湯が噴射されました。


「んみゃっ!? ど、どうすれば止まるの!? あ……僕のお尻がびちゃびちゃだよ……よし、このボタン押してみるか」


 すると次はちゃんと水が流れて、僕はホッと胸を撫で下ろしました。一人でトイレくらい余裕かと思ってましたけど、かなり苦戦してしまいました。


「んにゅ……次回から気を付けよう」


 僕は濡れたお尻を紙で拭いてから、再びボタンを押してトイレに紙を流しました。そしてトイレから出た後は、再びお姉さんが寝ている部屋に戻ろうとしたのですが、別の部屋から何やら楽しげな声が聞こえて来ております。


「――――――♪ ――――――!!」

「な、何だ!? ん? この声は……」


 ボブカットヘアーの可愛らしいお姉さんの声が、別の部屋から聞こえます。僕は何してるのか気になり、扉をそっと開けました。


「……んんんんっ!?」

「――――――♪」


 誰も居ないのに、ボブカットヘアーのお姉さんは楽しげに一人で喋っております。またしても謎の魔道具です。お姉さんは魔道具に向かって、何やらお喋りしているみたいです。下の部屋にあった黒くて薄い物に似ていますね。でもお姉さんの部屋にあるのは、かなり小さい上にボタンが沢山付いています。ここの家には不思議な魔道具が沢山あって、驚く事ばかりです。


「何してるのかな?? よし、お姉さんの元へ行ってみよう」

「――――――♪ ―――――――――!?」

「あ、えっと……こんにちは! お姉さん何してるのですか?」


 お姉さんは僕を見て驚いた顔をしております。そしてお姉さんは何か考える素振りをしてから、膝の上においでと手招きをしております。僕はボブカットヘアーのお姉さんの膝の上に座ろうとトコトコと歩いて向かいました。

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