前世の望みを異世界で

森野にぃとら

第1話 病で終える、俺の人生

 息が、苦しい…

 生まれ持っての持病に蝕まれ続けた僕の人生から、今ようやく解放されようとしている。


 満足に通うことが出来なかった学校や、体の弱い自分といつも一緒にいてくれた幼馴染のユウについて残念な気持ちもあるが、やっと人生が終わることへの安堵が勝っている。


「彼方!」

「カナ!お願い、目を覚まして…」


 ごめん、父さん、母さん、ユウ…そしてありがとう…


 来世というものがあるのなら、今度は丈夫な身体になりたいな…


そう願い、僕は意識を手放した。

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