第十二回 丸から四角。新たな眼鏡。
――丸くて大きかった眼鏡は、あの時に……曲がって割れて壊れていた。
女の子の……傷は消えないように、その眼鏡も二度と元には戻らないの。
でもね、心の火照りと共に……
私は新たなスタートを、その心に決めたの。その形となったものが、今の眼鏡。今日からデビューに至った。黒縁の四角い眼鏡。女の子は眼鏡で化けるそうなの。と、その様なことを誰が言ったの? それはそれは遠い記憶の中? 将又つい最近なのかな?
それについては思い出せないのだけど、もう近づいているの、迫る学芸会のその日その時。修正点の多い新解釈の白雪姫だけど、皆が協力してくれた。
時折、落ち込むことはあるけど、その度に……
「ドンマイ」「いくらでも修正していいから、遠慮なく言ってね」「
と、励ましてくれるの。特に白雪姫役の
男の子三人は、特に……
「
と、そんな具合に意見をしてくる。
とくに三人の中の、
見た感じでは、激しかったと思われる傷痕……
お父さんを止めたのは、
私の代わりにクラスを纏めてつつ、学芸会の稽古を進めていた梨花を、そっと助けていたのは彼だったそうなの。「文句があるなら俺が聞いてやるから、星野に何もかも押し付けるのもいい加減にしろよ」と、啖呵を切ったこともあったそうなの……
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