まるっと天気の子と、新解釈の白雪姫。
大創 淳
第一回 まず初めに、私は天気の子。
――だから、私はいつも笑顔。
今日も鏡を見てスマイル。丸い眼鏡も御一緒に。
髪は癖がある。ちょっと跳ねているけど、いつもだから気にしない。いつも天気の子だから。名は体を示すというから……
髪は背中まである。後ろ髪を引かれないように、青いリボンで束ねている。通う学園は私立
優等生の……
仮面を被って、クラスで起こるいじめも隠れてしまったのだ。
誰も、私には話しかけてくれなかった。突き飛ばされたりも、バケツで水を掛けられても、誰も……まるで私の存在が、そこから消えたような感じで、それでも先生の前では何事もなかったように接するの。まるで私が優等生であるかのように……
でも、スマホには『ウザい』『死ね』など画面いっぱいに、言葉の暴力。……新型ウイルスの影響で学園が休校になっても、そこから解放されることはなく、毎日毎日……
親は共働き。家族の時間があっても、私は孤独……部屋で膝を抱えて一人きり。だったら雨の日があっても。――泣いたの。笑顔はあくまで仮面だったの。
PCの画面、その向こうにある世界。とある小説サイト『書くと読む』にアクセス。執筆をする。そのタイトルは『新解釈の白雪姫』……今の私が白雪姫。鏡に映るのは、泣き顔だった。そんな時だ。夢中になった作品があったの。ウメチカ……という意味不明ながらも印象に残るようなタイトル。主人公は、私と同い年の女の子。これって……メッチャ悲惨じゃないの。と声に出てしまう程の、この子の世界観。エッセイだから、架空のものではないというのは理解できる。この子の名前は、
そして記憶の糸を辿ってみる。『千佳』という名前に、心当たりないのかと……。
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