第19話 パーティーと戦闘




「カオリ!そっちに行ったぞ!決めろ!」


身体中がボロボロになった合成獣キメラは最後の力を振り絞り誰か1人だけでもという気迫でカオリに迫っていた。


カオリは冷静に弓を構え合成獣キメラの額に矢を命中させた。



『経験値倍化により35090となります。Lvが285になりました。パーティへと振り分けます。』


俺達はあの後、すぐに魔の森に潜りLv上げをしていた。


パーティを組むと俺が倒しても経験値は行き届いた。


だが、本人達にもしっかり実戦経験を積んでもらう為、ある程度Lvが上がった頃に戦ってもらうことにした。


さっきもカオリが冷静に合成獣キメラを仕留めたのはその成果だろう。


「カオリよく決めたな。偉いぞ」


俺がカオリを褒めると、少しだけ頬を赤くして横を向きながら「と、当然だ!」と言う。


「わ、私なんかさっきオークを1人で倒しました!褒めてください!」


リーシャちゃんが負けじと俺に戦果を報告してくる。


「あ、あぁリーシャちゃんもよくやったな」


その言葉を聞きリーシャちゃんはカオリに向かって「ふんっ!」とたわわな胸を突き出し自慢げな顔を見せつけていた。


さっきからこのように2人は何かと張り合っている。仲良いんだか悪いんだか。


「ギマン、夜も遅くなってきた。そろそろ戻るか?」


戦斧を担ぎながらカイルが聞いてくる。

カイルは元々、剣を扱っていたが《剛腕》とステータスの相性を加味して斧を使った方が良いと言っておいた。


リーシャちゃんはMPと魔法が高かったから魔導師にカオリは元々弓を使っていたので変更はしなかった。


ちなみに、魔法を撃つのにスキルはいらないらしい。


火.水.風.土の4大属性は皆等しく適性があってそれぞれ第一から第十二階級の魔法にまで別れている。

魔法の数値によって使える階級が違い、第一階級は魔法が100あれば使えて、1番上の第十二階級は魔法が30000あれば使える。

勇者パーティの賢者は第六階級まで使えるらしい。


その他の闇.光.雷.氷などはスキルで適性を持っていないと使えない。


「そうだな。今日はここまでにしよう」


約5時間ぶっ通しで魔物を狩っていたから、みんなの顔に疲労の色が見える。しかしそれに対して泣き言なんか言わずに付いてきてくれた3人に感謝だな。


その甲斐あってか俺を含め全員Lvがかなり上がった。


改めて鑑定してみると


『カイル』男性 忠誠心:100

種族名:人間 職業:冒険者 犯罪歴なし


Lv:89

HP:2950

MP:1080

攻撃:1200

防御:1300

魔法:750

速さ:930

知能:100

器用:90


スキル

《剛腕》10秒間だけ攻撃が100倍になる。CT3日


『リーシャ』女性 B:90 U:58 H:86

種族名:人間 職業:冒険者 犯罪歴:なし 好感度230


Lv:90

HP:3600

MP:4000

攻撃:1500

防御:1300

魔法:2800

速さ:1150

知能:450

器用:500


スキル

《大器晩成》徐々に大成する


『カオリ=エンフェルト』女性 B:98 U:55 H:92

種族名:闇耳長族ダークエルフ 職業:冒険者 犯罪歴:なし 好感度:200


Lv:115

HP:3500

MP:2800

攻撃:1300

防御:1260

魔法:1000

速さ:2500

知能:580

器用:400


スキル

《超聴覚》30m範囲の音を聞き分けれる

聖なる弾丸ホーリーバレッド》己が悪と認知した相手に対して回復不可、再生不可の弾丸を撃つ。威力は想いに比例する。CT10日


こう見ると明らかにリーシャちゃんのステータスの上がり方が凄い。《大器晩成》の効果だとは思うがここまでとはな。


みんなハンスくらいなら余裕で倒せるようにはなった。


後、カイルのステータスに忠誠心というものが出てきた。まぁないよりはましか、リーシャちゃんとカオリからの好感度が上がっていた。これは正直嬉しいです。はい。


そして、俺のステータスはというと


東雲欺瞞しののめぎまん』男性

種族名:人間 職業:冒険者 犯罪歴:なし


Lv:285

HP:7200+1000

MP:9500+1000

攻撃:5000+1000

防御:5000+1000

魔法:6100+1000

速さ:5900+1000

知能:1200

器用:1000


スキル

《錯覚》対象を錯覚させる。

《取得経験値倍化》取得する経験値を2倍にする。

《原語通訳》全ての原語が話せる。

《アイテムボックス》収集容量3%

《環境適応》環境に即座に対応できる。

《並列思考》2つの事象を思考できる。

《鑑定》対象を鑑定する。

《斬撃》刃物系武器装備時、斬撃を飛ばす事が出来る。


加護

【創造神の加護】MP.魔法+1000

【冥府神の加護】HP.攻撃.防御.速さ+1000


この前あった血晶体のタリスマンであれば勝てるぐらいにはなったが、奴は自分で本物はこんなもんじゃないと言っていたのでまだまだ安心なんか出来ない。


200を超えてからか俺のLvの上がり具合が顕著になってきた事もあるし今日はひとまずここまでだ。


「はわぁー!疲れたです!それにしてもまさか自分がここまで強くなるなんて思ってなかったです。これなら今度からギマンさん以外にいやらしい目で見てきたらボコボコです!」


リーシャちゃんは杖を持ちながらシャードーボクシングをしていた。うん。多分今のリーシャちゃんが殴ったらボコボコじゃ済まないと思うけど。


「そうだな。私もこれだけの力があれば、妹を守れたのにな...」


もう時間は巻き戻らない。そう分かっていてもカオリはそんなことを考えずにはいられなかったようだ。


「カオリ。妹の事は残念だったがその代わりタリスマンは絶対殺すからな。安心してくれ」


俺はカオリを元気づけようとしたが、カオリは「わ、分かっている!だからそんな近づくな。心臓がバクバクしてうるさい...」と顔を真っ赤にして離れていった。


やっぱり俺に人を元気づけるなんてのは早かったのか...


カイルはそんな俺の肩に手を当て

「ちゃんとギマンの気持ちは伝わってるぞ。そんなに落ち込まなくていい」と励ましてくれた。


カイルお前老け顔なのに良い奴だな。とは思ったが口に出したら本人に怒られるためやめといた。


そうして俺達はカイルとリーシャちゃんの家に戻り、水浴びと食事を済ませて就寝した。


寝る場所でカオリとリーシャちゃんがケンカになった。


理由はカイルとリーシャと亡くなった両親の部屋があり、俺はソファで寝るからカオリに部屋で寝るよう勧めたがリーシャちゃんが私のベッドで寝てくださいと言ったら、対抗するようにカオリもそれじゃ私の部屋で!と言ってきたのだ。


10分間言い合いをしていて収拾がつかないと俺は今思っていたが、カイルが「客人をソファでなんか寝させられない。俺の部屋を使ってくれ」と言ってなんとか事なきを得た。


正直2人のどちらかの部屋で寝たら、ある意味寝られなくなるので助かった。


2人はその言葉に頬を膨らませていたがな。



____タリスマンとの決戦まであと23時間

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