第108話夜の元気はあるか!夜の自信はあるか!
「さあ、『罰ゲーム』ならぬ『罰』の時間だ。なんだと思う?」
「えーと…、『ハーレム』的なものでしょうか?」
「それもいいなあ。そんなわけないだろお。ところで保坂さんは今なんだ?」
「はい?私ですか?敗者で『モブ』じゃないですか?」
「それはそうだけどもっと。ほらあ。あるでしょ?」
「作品の削除ですか?『泥沼不倫日記』を」
「それもいいけどそれは出来ませんよ。読んでくれている人がいるんでしょ。表現の自由には寛容なんだから更新は続けないと。それよりあなたは十月四日に、ほらあ」
「あ!」
「そうでしょ?新婚さんでしょ」
「それが『罰』に関係あるのでしょうか?」
「大ありだ!大アリクイだ!…。今のはカットね。それでおじさんはよく知らないんだけど、今、『婚約破棄』ってのが流行ってるんだって?」
「はい?まあ聞いたことはありますし…、流行ってるみたいですねえ…」
「リアル『婚約破棄』いくぞ」
「え?」
「リアル『婚約破棄』いくぞ」
「はい?」
「現場監督ぅ!佐藤さん!」
ここでとっくに『モブ』となった保坂さんの婚約者である山梨県の星である佐藤さんが。
「お、久しぶりだねえ。元気してた。現場監督」
「元気も何も『モブ』としてずっといましたよ」
「元気はあるか!自信はあるか!」
「元気もありますし、自信もありますが『モブ』ですから」
「夜の元気はあるか!夜の自信はあるか!」
「とめさん…。それ、今、大事ですか?」
「そりゃあ新婚さんは今の時期は、ねえ。保坂さん」
「ま、まあ…。でもプライベートなことですし。『異世界ウルトラ』のせいでご無沙汰でしたので、ねえ」
「そこでリアル『婚約破棄』だよ。ここでの罰は」
「はい?」
「佐藤さん、保坂さん。結婚…、なかったことにするか」
「えええええええええええええええ!」
「(私は全然いいけど。とりあえず)ええええええええええええええ!」
「十月四日の挙式もキャンセルだ。まあ、キャンセルもくそもねえけどな。ここは異世界でメッタ刺しでリアルには帰れないんだしなあ」
「それでも…。こっちの世界で新婚として…」
「(その気はないけど)そうよ!そうよ!私たちは愛し合ってるのよ!それを!ひどい!」
「おじさんも悲しいよ。でも、ねえ。『異世界ウルトラ』は『敗者が主役』だし、ねえ」
「『敗者が主役』なら『ハッピーエンド』も大事でしょ!」
「(茶番だけど)そうよ!ひどいわ!あんまりだわ!」
「そう?そこまで言うなら…」
「(え?)」
「二人で話し合え。『協議離婚』だな。今後『協議離婚』ってジャンルが流行るかもしれないしな。ほらほら。二人で話し合え。みーんな暴露しちゃえ。アレックス君との激しい一夜のこととか」
「お前!」
「何よ!そんなことしてないわよ!」
「『泥沼不倫日記』はノンフィクションだってことも全部暴露だ。声に出して読もうか。何々、『今日もまた出会い系で若い大学生の男の子と体の関係を持ってしまった』だって」
「フィクションだからああああああああああああああ!」
「何々、『登録したままの婚活アプリで出会ったイケメンとスイーツなホテルでディナーを堪能し、そのまま夜景をバックに立ちバック』。保坂さん、韻を踏んでるねえ」
「お、お前…」
「フィクションだからああああああああああああああ!」
修羅場になってますね。まあとにかく次は準決勝の『無双』です。
第十三チェックポイント『ハーレム』。転落者、保坂さん。
勝ち抜けた転生者の数、三名。
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