第107話『ハーレム』の人選

「ちょっとインタビューとかいろいろしたいんで。悪いんだけど松戸のかとう君。あの二人を止めてきてくれる」


「分かりました」


 そしてものすごい死闘を演じていたナルシス聖夜さんとイカツイまちょろふさんを一瞬で倒してしまう松戸のかとう君。すごい強いですね。


「お疲れお疲れ。さて保坂さん。よくここまで頑張った。頑張った。頑張ったもんなあ。ねえ、どんな。一番印象に残ってることを」


「ええ。偏見を持っていた『異世界』がこんなに楽しくいろいろ見れたことと…、いろんな初めて会った人たちとここまで旅を続けてこれたことかなあ」


「そっか。あなたは『泥沼不倫日記』とかそういうエッセイ?フィクション?そういうのを書いてたもんなあ。でも十月四日の結婚式に間に合うからよかったのかもしれないね」


「そうですね」


「まあ、現世に戻れないけどね」


「はあ…」


「でもいろいろ苦労や困難を乗り越えてここまで来たんだ。最後は『ハーレム』の人選か。あんまり書きなれてないもんな。これからの人生できっと役に立つと思うよ」


「はい」


「『モブ』になった婚約者と、ね。この世界で一緒になって。ちゃんと一途に協力し合って暮らすんだよ。帰れないけどね」


「はい…」


 そしてそれぞれの『個室』でたっぷり『ハーレム』を満喫した、勝ち残った三名の転生者がしおらしい表情で保坂さんとの別れを。複雑な表情ですね。やはりこれまで一緒に旅をしてきた仲間との別れは辛いものなのでしょう。


「おいおい。どうした。元気がないぞ。若旦那も成田空港もキスマークだらけの癖に。このこの。まあ、ナイーブなんだよな。でも次の『無双』が待ってるよ。では次の『無双』に向けてバンザーイ!」


「バンザーイ!」


「もいっちょバンザーイ!」


「バンザーイ!」


「元気よくバンザーイ!」


「バンザーイ!」


「あと、君たちが指名した各キャラともここでお別れだ。ちゃんと別れの挨拶をしておこう」


「エリカちゃん、チョコミントちゃん、キャロライナちゃん。ありがとう。楽しかったよ」


「こちらこそ。行ってしまわれるんですね。何度もイってましたが」


「べ、べ、別に、寂しいわけじゃないからな!」


「お元気で。また会いましょう」


 成田空港・渡辺さんもしんみりとしてます。


「セイレーンちゃん、フェラフェラちゃん、レロレロちゃん。またきっと会おう」


「あ、お金を払ってくれればいつでも出張しますわよ」


「え?」


「ごんぞう。ダンディ。あなたたちをモデルに作品を書くわ」


「お嬢…」


「ナルシスの奴はどうします?」


「あ、いいのいいの。気にしないで」


 なんか、いろいろあるみたいですね。とめさんもどさくさに紛れて各キャラと一通り握手をして回ります。


 さあ、お楽しみの『罰』の時間です。『ハーレム』での『罰』は一体何なのでしょうか。

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