第70話地面の『バリカン』を拾うイメージでアッパー昇竜はあああああああああああああ!

「おう。おめえら。『風呂』入ろうぜ」


「あのお…」


「何だこの野郎!元気がねえぞ!元気はあるか!まったくこの野郎が」


「はい!あのですね!これってとても熱いのではありませんか!?」


「そうなの?『風呂』って熱いもんじゃねえの?」


「いえ…、そういうことでは」


「ごるあああああああ!元気ねえぞ!声を出せ!腹から!あ、読者の皆様には大変下品な言葉遣いをお許しください。ここは『塾』ですので。ああああああああああ!『風呂』は熱いのが当たり前だろ?」


「はい!当たり前です!」


「だろ?『異世界横断ウルトラクイズ』というものは『知力』、『体力』、『時の運』といわれておりましたねえ。しかし!もう一つ、あ、四つね。欠けているものがある。それはつまり『精神力』である。二十代の諸君に比べると修羅場になるとどうしてもおじちゃんおばちゃんたち四十代のが強い時があるでしょうが。何故かと言うと『根性』。ね。耐えること、耐えることを君たちは知らない。今日はちょっと思い切り苦しんで『精神力』をつけていただきたい。ちなみに残りの三つは『友情』、『努力』、『勝利』だけどそれは忘れていいからね。うん。今は通用しねえからよ。三ポイント勝ち抜け。間違うとマイナス一ポイントがつきますがそれだけじゃあないんだな。俺の背中の見ろ!読んでみろ!」


「ましりとです!」


「そうだ!『ウルトラジャーンプ』をやるぞここで!覚悟はいいな!厳しくしごくからね。まずはその『風呂』!実はチート能力でこの『ましりと』はだな…」


「とめさん!?」


「『とめさん』って言うなあああああああああああああああああ!私は『ましりと』だ!」


「はい!ましりとさん!」


「そうだ。そしてそのチート能力でだな。今見せるぞ」


 そう言って指先からものすごい火の球を放つとめ、否、『ましりと』さん。


 ドカーン!


 そして言います。


「今のは『メラメラゾ―マ』ではない。『マッチ棒』だ」


 唖然とした表情で『ましりと』さんを見つめる勝ち残った八名の転生者たち。


「問題を不正解するとこの『マッチ棒』をその『風呂』にだな。説明いる?」


「いりません!」


「まあ、いきなりこの『サラダ油風呂』に入れって言われてもそれは無理だ。それぐらい分かってるよ。ねえ。こんな煮えたぎった油の中に入ったらそれこそ『通報強制削除』じゃあすまないよ。最悪アカウント停止処分だよ。だから!別に今は『風呂』に入らなくていいよ。ただし。『押す』のはいいよ」


「え?」


「『え』って言うなああああああああああああああああああ!はい、三回目。くらえられちゃら!地面の『バリカン』を拾うイメージでアッパー昇竜はあああああああああああああ!」


 岩瀬さんがぶっ飛びます。


「…、べ、べ、ベホマゾソ…」


 そして全回復する岩瀬さん。


「ほら見ろ!この岩瀬の『根性』!すげえだろ!急に風雲急を告げてまいりました。現在残っている転生者七名の中から落ちるのはたった一名です。クイズ『ウルトラジャーンプ』。気合をかけていくぞ。元気はあるか!みんな!」


「おいす!」


 さあとうとう始まりましたね。第十チェックポイント『だまさみ・くるま』。異世界ものでよかったですね。

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