第28話作ってくれた朝食に『思い切り』文句をいう男

「早かったんだってなあ。ホントに」


「早かったです」


「へへへ。『カクさん組』の先頭の岩瀬君。しかし…、君は『小説家に楽してなろー』では草履を先に行ってもらうとか言っときながらよく『運営がクソなカクさんヨムさん』に来たなあ。普段はどんなの書いてるの?」


「え、ええ…、『幼馴染がクラス一の美少女なのにおいらにぞっこんばっこん』みたいなやつです!」


「へえ。面白そうだな。今度、病院に行った方がいい」


「え?」


「『美容院』だよ。『美容院』。それから『ヨムさん組』の先頭。へっへっへ。自信はあるか」


「いや…、ちょっとだけ…」


「ちょっとだけ?せっかくこんないいポジションにいるんだからね」


「はい」


「ちなみに土谷君。君はどういう作品を、いくぞ!『問題』」


「え(聞いてくれないの?)?」


「問題。『口編に『未』だと書いて『味』。では口編に『毛』と書いて何と読む?』さあいこう!おいおい。両方とも、早速両方とも分かってない。いきなり『裏切り』だぞ。さあ、引っ張れ引っ張れ」


 ここで『カクさん組』に一人のチート能力者が。


「(ふふふ…。俺のチート能力『ぱわーじじょう(掛け算ではなく二乗の意味みたいです)』を使えば俺の力はどこまでも無限に強くなるのだ。よし!先頭の岩瀬の奴は分かってないみたいだから思いっきり引っ張っちゃえ!『ぱわーじじょう』!!!)」


 グイッ。


「おお!強いな。『カクさん組』。そこまで。よし岩瀬。分からなかったのは分かっているよ。裏切って反対側に引っ張ってたんだから。では、答えは?五秒間あげる」


 マイクを向けられる岩瀬君。


「え、あ、えーと、『もう』?」


 ブブ―。


「残念。『かく』だよ。サービス問題だよ。こんなの。君は書いてるんだろ?もっと『かけ』ってことか。はい、帽子とって君は。せっかく一番に起きたのに一番後ろに回る。ほら、イケイケイケイケ。あっはっはっはっはっは…」


 大爆笑するとめさん。しかし、その笑い顔もさわやかである。やってることは悪魔的ですが。ちなみにとめさんのTシャツの胸には大きく『UN―EIGAKUSO!NO

!KAKUSAN!YOMUSAN!』の文字が。よっぽど恨みでもあるんですかねえ。


「諸君がね、くたびれているのを見ると僕は本当に快感を感じるんだなあ」


 『重言』を平気で口にするとめさん。


「いくぞ問題!『おーしん牛乳』が先頭に来た。問題。『もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対。これは結局また恋をするのでしょうか?』さあいけ!引っ張れ!」


 さすがに『裏切り』をせず一生懸命引っ張る『カクさん組』と『ヨムさん組』。


「(うーん。これは…。サービス問題だよなあ。俺の番が早く来るように『カクさん組』の先頭に答えさせるか。『ぱわーじじょう』!)」


 グイッ。


「はい。そこまで。『おーしん牛乳』」


「恋をする!」


 ブブ――。


「え?何故?」


「出来ないんだよなあ…。これが。よく考えてもみろ。せっかく作ってくれた朝食に文句を言う奴だぞ。それも『思い切り』。そんな奴は恋無理」


「いやいや。それは周りの見方であり、恋は主観ですよね?」


「ちなみに今日は何時に起きたの?」


「一時半です」


 『おーしん牛乳』君の異論にシカトを決め込み、『ヨムさん組』の先頭である土谷君にマイクを向けるとめさん。


「一時半に何か聞こえなかったか?」


「あ、ハトの声が」


「『こーけこっこー!』。こういう声が聞こえなかった?夜明けを告げる『明告鳥(あけつげどり)』を鶏と言うんだ。これマメね。はい。青山大学が先頭に出てきました」


「頭が重いっす」


「頭が重いのか。まあ、解答権だから。頑張れ!」


 実はこの青山大学君。『ぱわーじじょう』の使い手です。


「いこう、問題。『世界一長い映画のタイトルは『マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺』。では日本一長い歌のタイトルは?』さあ引っ張れ!」


「(あ!これは知ってる!びぎんのやつ!でも正確には覚えてねえ!ここはいったんあれだ!『裏切り』だ!裏切って『ぱわーじじょう』!)」


 青山大学君が裏切って『ヨムさん組』の方へ縄を引っ張ります。しかし!ここで別の能力者が!


「(さっきからなんかおかしいと思ってたけど『こいつ』か!パワー系やな。単純だなあ…。僕の能力『ハン・ピレイ(反比例からでしょう)』を発動だ!あ、説明しよう!『ハン・ピレイ』とは!対象となる能力者の力を『反比例』させるのである!まあ、単純に言うなら強い奴を弱くさせる能力なのである!)」


「(あれ?あれ?あれえええ?)」


 余裕で問題回避できると思っていた青山大学君。しかし『カクさん組』が勝ってしまいました。


「はい。そこまで。よし。青山大学。舌噛むなよ。普段から長いタイトル好きなんだろ?一気に頼むぞ」


「え、え、えーと…。『鈴懸の木の道で「君の微笑みを夢に見る」と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のような野茂』?」


 ブブ―――。


「残念。それは二位だ。近いとこまで来てんだよ。秋葉ね。ちなみに本当にそう思ったの?」


「いえ。確かびぎんさん?」


「そうだよお。正解はびぎんで『それでも暮らしは続くから全てを今忘れてしまう為には全てを今知っている事が条件で僕にはとても無理だから一つずつ忘れて行く為に愛する人達と手を取り分け合ってせめて思い出さないように暮らしを続けて行くのデス』だよ。はい、帽子とって。一番後ろ」


 第五チェックポイント『運営がクソなカクさんヨムさん』。なかなかの攻防戦であります。

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