『オオカミさんとおにさん』
やましん(テンパー)
『オオカミさんとおにさん』
いつか、かなり、さきのこと
おおかみさんと、おにさんが言い争いになりました。
どちらが、よりたくさん、にんげんを食べたのか?
という問題でした。
しかし、話し合いはまとまらず、ついに世界戦争になりそうになりました。
そこで、心配した、ごきさんや、ちゅうさんたちが、『地球生き物仲裁裁判所』に、仲裁を申し立てました。
裁判所は、双方の言い分を聞き、提出された、古くからの文献や資料をもとに、調査しました。
その中には、ジェボーダンの怪物とか、大江山の鬼とか、赤ずきんちゃんとか、鬼婆伝説とか、ピーターと狼とか、また、20世紀から21世紀に地球で作られた、たくさんの『アニメ』類の残存物とか、『映画』の断片、とかもありました。
長い審議の末、裁判所は、ついに双方に和解を勧告しました。
『詳細な分析調査を行ったが、確たる証拠には至らず、事実かどうかわからないものも多く、もはや、具体的な数の認定は不可能で、お互いに争う意味はない。良く話しあって、和解しなさい。』
ある、『いか族』の学者が解説しました。
『食べられた側の人間が、絶滅してから長く経ち、何人が、他の生き物に食べられたかなんて、もう、わからない、いか。まあ、彼らが食べた数のほうが、圧倒的におおいのだけは、間違いない、いか。他の生物を絶滅させた最大の生き物が、人類、いか。』
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そのころ、遠くの銀河に、光速に近い速度で旅行して、他の世界に移住した人類の残りのグループが、2億年以上たって、ようやく、地球に戻ってこようとしていました。
『まあ、人類がそのまま残ってる可能性は、少ないだろうなあ。』
隊長が言いました。
しかし、そこから、各種生きものたちは、またまた、しばらくは、受難の時代を迎えることになったのです。
帰ってきた人類は、なぜだか、相当に、パーワーアップしていて、ちょっと人類とは思いがたかったのですが。
おにさんと、おおかみさんと、いかさんと、さめさんと、ごきさんと、ちゅうさんと、わにさんなどが、合体したような姿だったのです。
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『オオカミさんとおにさん』 やましん(テンパー) @yamashin-2
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