外伝

外伝 クリスマス 怜×鈴

 ピンポーン


「はーい!開いてますよー!」


 俺がインターフォンを押すと、鈴の声が聞こえてくる。


 俺が玄関を開けるとそこには──


「メリークリスマス!先輩!」


 とても可愛いミニスカサンタさんが居た。


「メリークリスマス!凄い似合ってる!」


「でしょでしょ!あっ、ご飯作ってあるから早く食べよ!お腹空いてるでしょ?」


「うん、ありがとう!」


 どうやらご飯を作ってくれてあるらしい。


 初めて鈴の手料理食べた時は驚いたなぁ…色々な意味で…


「その前に」


「え?」


 俺は着ていたコートを鈴に羽織らせる。


「似合ってるけど、その格好じゃ、いくら家の中と言っても寒いでしょなんか着てきな、風邪引いちゃうし」


 俺がそう言うと鈴が動かなくなった。

 あれ?キザすぎた?もしそうなら、めっちゃ恥ずいんだけど!


「ふへっ、ふへへ」


「あ」


 すると、突然鈴がふへふへ笑い出した。

 この笑い方はよく知っている。


 新しい保管物コレクションを手に入れた時の笑い方だ。


 俺はすぐさまコートを取り返す。


「あぁ!返してよ!!」


「これはあげません〜」


「なんで!?」


「まだ着れるからだよ、こっちならいいよ」


 そう言って俺はポケットからボロっちい手袋を取り出す。


「これはこれは…」


 そう言って鈴は、手袋の中の匂いを嗅ぐ。


「やめぃ」


「あて」


 俺は変態的な事をしている鈴の頭をチョップする。


「そんな事してないで早く服着てきな」


「はーい、先リビング行ってて!」


「わかった」


 俺がリビングの扉を開けると、食欲をそそられるいい匂いが漂ってきた。


 ダイニングテーブルの方を見ると、グラタンとポテトフライ、唐揚げそしてローストビーフが置かれていた。


「これ、2人で食べる量じゃないでしょ…

 でも凄いな…」


 鈴は基本テイクアウト等はしない。

 なのでこれら全て手作りだろう。


 それに部屋もクリスマス仕様に飾り付けされている。


 俺が部屋の飾り付けを見ていると、ミニスカから長ズボンになった鈴が戻ってきた。


「先輩!少しかがんでください!」


「ん?わかった」


 俺が屈むと、頭に何かを刺され、鼻に赤くて丸いスポンジを付けられた。


「これは…」


 トナカイだな。


「あははは!せ、先輩似合いすぎ!」


 勝手に仮装させられ、勝手に大爆笑された。


「はぁ〜面白い、じゃあ食べましょ!」


「だね、それと鼻のやつ取っていい?絶対に食べづらいと思うんだけど」


「だーめ、ほら!このグラタン食べてみて!自信作だから、絶対美味しいと思います!」


 そう言って鈴がグラタンをお皿に取り分ける。


 食べなくても匂いでわかる。

 美味いやつやん。


「いただきます………あふっ」


 グラタンが思ったよりも熱かった。


「あ、美味い!」


「ふふん、そうでしょう!ここでクイズです!デデン!私はこのグラタンに、ある隠し味を入れました!それは何?」


「隠し味?」


 う〜ん、なんだろう…

 隠し味……入ってる食材は見た感じ普通のグラタンと一緒なんだよな…

 てことは調味料だよな。


「あと10秒!10、9、8、7、6、5、4「味噌?」ファイナルアンサー?」


「うん」


「ジャカジャカジャカジャカ、正解!さすが先輩!景品はなんでもしてあげる券(えっちぃこと以外)です!」


 なるほど、これはちょうどいい。

 早速使わせてもらおう。


「じゃあ早速」


「おっ、何ですか?」


「俺の事、先輩じゃなくて名前で呼んで」


 そう、俺たちは付き合っているのだが、未だに鈴が俺の事を先輩と呼ぶ。


 これは付き合いたての頃に聞いたのだが、ずっと先輩と呼んでいたから、名前で呼ぶのが恥ずかしいらしい。


「え、本当に名前じゃなきゃいけないですか?」


「もちろん」


 俺は知っている。

 いつもお風呂で俺の事を名前で呼ぶ練習をしている事を。

 さぁ、今こそ練習の成果を発揮する時だぞ!


「れ、怜斗…さん?」


「さんは付けなくていいよ!」


 あとちょっと!


「むりむりむり!やっぱ無理!」


「え〜、じゃあさん付けでいいから俺と目を合わせて呼んでみて!」


「絶対むりです!」


「お願い!1回だけでいいから!」


 俺は必死にお願いする。

 だって鈴が俺の目を見て、名前を読んでくれたのなんて初めて会った時だけだよ!?


「じ、じゃあ1回だけだよ?」


「うん」


「本当に本当に1回だけだからね?」


「わかったわかった、ほら!早く!」


 俺は顔を赤くしている鈴を見る。


「れ、怜斗さん」


「はい」


 おぉ!言った!


 すると、元々赤かった鈴の顔が、更に赤くなる。


「ちょ、先輩こっち見ないで」


 そう言って鈴は後ろを向いてしまった。

 俺はそんな鈴を見て、何かに火が灯る。


 俺は椅子から立ち上がると、鈴の方に近寄る。


「ほーら顔見せて」


「あっ」


 俺は鈴が顔を覆っていた手を退かす。


「み、見ないで」


 そう言って鈴は顔を背ける。


 そんな感じの事を数分続けた。


 さすがに数分もすると、いつもの鈴に戻ってしまった。


「もう!先輩やめてってば」


「あらら、いつもの鈴を戻っちゃった」


「ふん!もう2度と先輩に照れ顔を見せてやるもんか!」


「えー」


 鈴が照れてる所写真に納めたかったな〜


「ほら!ケーキ食べましょ!」


「ケーキもあるの!?」


「はい!もちろん手作りです!」


「凄いな…」


さすがの俺もケーキは作ったことないな。

今度作ってみようかな…


「そーだろ!凄いだろ〜」


あぁ、楽しいな



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

読んでくださりありがとうございます!


終わり適当過ぎ笑

こういう短編みたいなのむずい…


夜にあと1つ投稿します!

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