第26話 キング

 今回はキングヘイローのお話。このキングヘイローという娘も前回のエアグルーヴに似て、母親が名馬で常にそのプレッシャーと戦っている子です。


 この母親ってのが事ある毎に「お前なんか走っても恥かくだけだからレースなんて辞めろ」と言い続ける毒親でして、そのモデルは歴代最強場の一角として名高い父ダンシンググレーブなのか、デビュー当時は勝ちまくってたけどだんだん尻すぼみになっていった母グッバイヘイローなのか、ちょっと判断がつきかねます。

 キングヘイローとの電話口の会話に、少しやっかみが見られる気がするので、グッバイヘイローの方かも知れません。


 史実のキングヘイローは短距離から長距離、果てはダートまで走らされたオールラウンダーです。まぁG1レースで1着を取れたのが高松宮記念だけなので、微妙に勝ち切れない所があって、ゲームでも短距離以外の距離適性はBかCにおさまっています。


 血統的には最高クラスで走りを期待された子ですから、ゲームの彼女も高笑いのよく似合うお嬢様タイプとして表現されています。


 しかし、彼女の同期にはスペシャルウィーク、セイウンスカイ、グラスワンダー、エルコンドルパサーと、後に「黄金世代」と呼ばれる程に強いウマ娘が揃っており(学園でも同じクラスです)、クラッシック期までの年齢を合わせるレースでは何かとかち合って勝負します。


 そこでなんとかキングヘイローに菊花賞を勝たせたくて、長距離適性をAにまで上げた彼女を送り込みました。


 最後の直線でどうにか逃げるセイウンスカイを躱しトップに躍り出ます。後ろには猛烈に追い上げて来るスペシャルウィーク。

 粘れキング! 走れキング! 応援にも力が入ります。


 しかし運命は残酷でした。懸命に走るキングの横を猛スピードで駆け抜けてゴールしたウマ娘が… キングは惜しくも2着に……。


 優勝したのはスペシャルウィーク… ではなくてゴールドシップでした。

 こらゴルシ! お前ストーリーに関係ないんだから空気読めよな!w


 一応キングヘイロー編はシニア期の天皇賞(秋)がストーリー上のラストランになるのですが、その直後の有馬記念に出場すると、黄金世代揃い踏みでガチンコバトルになります。

 そしてここで勝てれば真のエンディングが見られるという隠し仕様ですねw


 高慢だけど人一倍の努力家で、才能よりも泥臭い努力で培った力を信じるキングヘイローは、その憎めない人柄と高いストーリー難易度のせいで何度もチャレンジしてしまう不思議なウマ娘なのでしたw

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