第16話 大逆転! 火炎の剛剣
とにかく数を撃ってみよう!
「炎魔法『フレイムバースト』
雷魔法『サンダーボルト』
氷魔法『コールドランス』
風魔法『ヴィントゥアロー』
毒魔法『ヴェノム』
光魔法『フォトンショット』
闇魔法『ダークショット』」
ちゅどーん!!!!!!!!
ちゅどーん!!!!!!!!
ちゅどーん!!!!!!!!
ちゅどーん!!!!!!!!
全弾命中! どうだ!?
煙幕が晴れていくとピンピンしているグリーンドラゴンが目の前に…。
「ふっふっふ…無駄ですよ無駄ですよ!
その程度の火力ではビクともしませんとも!」
参ったなぁ、どうしたものか。
危険度Sランクの魔物をソロで倒せるのはS級冒険者のみ。
A級冒険者である俺では太刀打ちできない。
俺がそう考え事をしているとグリーンドラゴンは火を吹いてきた。
「おわっと!?」
間一髪で避けた。しかし、
「あれ? あ! あち! あちち!!!」
シッポに火が触れてしまったようで燃え始めた。
「水魔法『ウォーターショット』!!!」
俺は水魔法でシッポに着火した火を鎮火させた。
「何やっとるんじゃ!」
「イヤだって…シッポがあるのまだ慣れなくて…」
慣れないから避けるのが難しい。
シッポの使い方をもっと上手くならないと!
それにしてもどうしようか。
1分経てばさっきみたいにこのグリーンドラゴンのファイヤブレスをラーニングできるだろうけど1分逃げ切れるだろうか?
仮に逃げ切ったところでこれが効くとは限らない。
「諦めなさい!諦めなさい!!
冒涜の罪は命を持って償いさない!!」
なんて物騒な思考だ。
すると、リザードたちも襲いかかってきた。
「うぉ! 邪魔だー!」
グリーンドラゴンだけではなくリザードもまだたくさんいる。
そういえば魔力量が増えると無詠唱できるんだよな。
もっと言うと魔力量が増えると魔法のコントロールが上手くなる。
…
ピーン!!!!
閃いた!!!!
俺がラーニングで習得した闇魔法『マナドレイン』は、格上には通用しないようだ。
だが、『マナドレイン』が通用する魔物が手近にいる。
そう、リザードたちだ。
「闇魔法『マナドレイン』!!」
俺はリザードたち魔力を吸い取った。
しかし、吸い取ってはいるが体内に保留させない。
また、気持ち悪くなるからな。
「な、何をしているのですか!?」
次々とリザードたちは倒れていき声を上げるメイデン。
そして、2000体ものリザードから集めた魔力を両手に込めて…。
その両手に持っている2本の剣に魔力を込める。
ラーニング3つ同時に発動!!!
「雷魔法『サンダーボルト』!
炎魔法『フレイムバースト』!
そしてそれを剣に込める!!」
すると右手で持っていた剣は炎に包まれて、
左手に持っていた剣は雷に包まれた。
「ふぬぬぬぬぬ!!!
な、なんとか制御できてるか!?」
「気合いじゃ! 気合いを入れるのじゃ!」
そして、ゲルドさんのパワーを込めた剣術!
ズバ!
「『雷炎の剛剣』!!!!」
「ぐぎゃあああああ!!!!!!!!」
俺はすぐにグリーンドラゴンの懐に入って力いっぱい切りつけた。
どうやら効いているようだ。
本来の俺の魔力では、例えコントロールできてもダメージを与えることはできなかっただろう。
このリザードたちの魔力のおかげでダメージを与えることができる! 戦える!!
「本番はここからだ! おっちゃん!」
「こここここ小賢しいガキがア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!
神に膝まづきなさい!!!」
グリーンドラゴンことメイデンは、俺を捕まえようとひたすら暴れ回る。
しかし、素早さならこちらの方が1枚上手だ。
俺はグリーンドラゴンのファイヤブレス、爪による引っ掻き攻撃、シッポによる打撃をことこどくかわして、また斬りつける。
「毒魔法『ヴェノム』!
闇魔法『ダークショット』!
剣に込めて…『毒夜の剛剣』!!!」
次は毒のダメージと闇の力だ!
「ぐおおおお!!!
身体が…痺れる…力が抜ける…」
毒魔法と闇魔法の追加効果で『毒』『脱力』が与えられたようだ。
動きも鈍くなったし、もう反撃のスキを与えないぞ!!!
ズババババ!!!!!!!!
俺は容赦なく斬りまくった。
「ぐおおおお!!! この私が!!
ラプラスの使徒が!!!
こんなガキに負けるはずがア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」
お? そろそろ1分だ。
固有魔法『ラーニング』により
固有魔法『ファイヤブレス』習得。
リザードたちの魔力、グリーンドラゴンのファイヤブレス、ゲルドさんの剣。
それらが組み合わさって本来倒せない強敵に牙を向く。
「自分の炎に焼かれやがれ!
固有魔法『ファイヤブレス』!!
剣に込めて…『火炎の剛剣』!!!」
ズドーン!!!!!!!!
グリーンドラゴンに思いっきり剣を振り下ろした。
遠くから見てもわかるほどの大爆発を起こしてグリーンドラゴンは焼き払わられた。
「ぐおおおお!!! わ…わたしが…そ…そんな…」
大爆発の中、メイデンはみるみる灰になっていった。
炎の勢いが収まると大爆発の跡だけを残してリザードたちは消えていた。
どうやらメイデンが作り出した魔物だから
メイデンを倒すといなくなるそうだ。
か、勝った…。
勝ったんだあああああああああああぁぁぁ!!!!!!!
「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
俺は叫んだ!!
もうダメかと思った!!
「いちいちうるさいのじゃ!
これからもっと強敵と戦うのだからもっとシャキッとするのじゃ!」
エリスお嬢様手厳しい。
「だってSランクですよ! 危険度Sランク!!
出会うことすら今までなかったのに倒してしまったんですよ!?!?」
あまりの興奮のあまりハイテンション。
しかし、
「あ、あれ!?」
俺は目眩がして倒れた。
「全く…自分の疲労にも気づかないなんて…。
あんな無茶な戦い方をすればそうなるのは当然じゃ。
まぁ、今日のところは褒めてやろう!」
エリスお嬢様は、倒れている俺の頭をそっと撫でた。
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