第六十三話
すると
「行くぞ」
美玖は
ことみの表情が、明るくなった。
「出来ました! さばけましたよ、美玖さん!」
「うむ。では、もう一度やってみよう」
美玖は再び、鉄砲の玉と同じ速さの突きを三回、放った。すると、ことみは再び三回とも左右の竹刀でさばくことが出来た。
美玖も、
「うむ。まずは、出来る稽古を続けた方が良いな」
「はい!」
そして美玖とことみは、夕方になるまで同じ稽古を続けた。鉄砲の玉と同じ速さの突きを、確実にさばけるようになったことみに、美玖は提案した。
「もう一度、鉄砲の玉よりも速い突きを三回、放ってみようと思うが、どうだ?」
少し自信が付いたことみは、笑顔でその提案を受け入れた。そして美玖は、
「行くぞ……」と放った。
しかし、ことみはさばけずに三回とも
ことみと美玖の稽古の二日目。
ことみは、おゆうが作ってくれたお
美玖は
ことみが今日は、どんな稽古をするのかと聞くと美玖は答えた。
「うむ。今日は
ことみは千回づつと聞いて少し
それを少し見ていた美玖は「うむ、その調子だ。そのまま続けてくれ」と言い残し、まだ
だが昼くらいになると美玖は、様子を見にきた。
「どうだ? どれくらい出来た?」
その時、ことみの両腕は
「えーと、まだ半分です。五百回づつです……」
すると美玖は笑顔で、そこまでやれば取りあえずは十分だ、お腹が
ことみは
すると美玖は、
「ことみ、一つ聞きたいことがある」
ことみは美玖の表情を見て少し緊張したが、答えた。
「はい、何でしょう?」
改まった表情のままで美玖は、
すると美玖は、小さく笑った。
「うーむ。そういうことではなく、気持ちの
そして美玖は沖石道場の武士道は、敵に背を向けるな、
今まで、そんなことを考えたことが無かったことみは、なるほどと納得した。そして、それが沖石道場の
その様子に満足した美玖は、これからが本番とばかりに一枚の
ことみは、不思議そうな表情で聞いた。
「誰ですか、この人は?」
すると美玖は、この人は
すると、ことみは少女のような表情で、感想をもらした。
「確かに、かっこいい人ですねえ~」
そんな、ことみを見つめて美玖は、相模二刀流の強さを日本中に広めることも大事だと思うが、人生を楽しむことも大事だと告げた。
今まで
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