第五十話
俺は全身を左に
「ば、
ふと見ると、ことみは左手に持った刀を
「左の刀は防御に、右の刀は攻撃に。これが
突き!
すると、ことみは左の刀で突きをさばき、右の刀を作五郎に
作五郎は斬を受けることも、かわすこともできずに左肩から右の腰まで斬られた。
「くっ、おのれ……」
そして『吽』を持っている右手を、だらりと
俺は、二人に告げた。
「一人は刀を斬られて、もう一人は刀を振るえない……。この勝負、俺たちの勝ちだな」
益蔵は、逃げ出した。
「くっ、
作五郎も『吽』を投げ捨てて、逃げ出した。
「ま、待ってくれ!」
俺は「やれやれ」と
すると、ことみは喜びを
「やったー! これで私たちの勝ちだよね! 私たちが優勝したって、いうことだよねー!」
「ああ、そうだな……」
俺と、ことみが
「おめでとうございます。あなたたちが、優勝した
ことみは
「はい、そうです! だから、『
すると、おもんは
「おーほっほっほっ! 残念ながら、そういう
「え? どういうことですか?!」
おもんは、俺を見つめた。
「あなたが、
俺は、冷静に答えた。
「ああ、そうだ」
すると、おもんは
「うーん、この展開は予想外だったわねえ……。私の計画では勝ち残るのは、『血啜り』を持っている誠兵衛と、『
俺は、おもんが何を
「そしたらお前は、どうするつもりだったんだ?」
「もちろん『陰』と『陽』で、二人を倒すつもりだったわ。陰の
俺は、再び冷静に答えた。
「やはり、そういうことか……」
すると、おもんは言い切った。
「まあ、いいわ。今は、誠兵衛! 取りあえず、お前を
「出来るもんなら、やってみろ!」
「ええ、そうさせてもらうわ。出てきなさい!」
おもんに呼ばれて森の中から、二人の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます