第二十五話 第二部 完結
同時刻、
「うむ、やっぱり市之進の料理は
市之進は、複雑な表情で答えた。
「喜んでいただいて、
市之進が沖石道場にきてからは、ずっと料理の担当をしていた。美玖の
現在、沖石道場には十四人の
師範である美玖を除いた三人が食事の後片付けを終えると、美玖は
「さ、夜の
市之進は少し、心配していた。
「美玖さん、大丈夫ですか? 今も夜明け前に、
すると美玖は、
「うむ、大丈夫だ! なんせ夜は、面、胴、小手の稽古を、たったの千回づつしかやっていないからな! この間は
市之進は、もう一度戦ったら誠兵衛君は絶対に負けるな、という表情をした。
美玖が「それじゃあ、皆も早く寝るように! おやすみー!」と言い放ち、自分の部屋に行こうとした時に、道場の扉を
「む、誰だ。こんな
正純が「あ、私が対応しますよ」と答え、扉を開けた。美玖が
「あのー、美玖さん。いらっしゃったのは、
「む? 本郷翁が? ならば今すぐに、行かねばなるまい!」
正純は心配した。
「でも、こんな夜更けですよ? 私もお
「いや、それには
正純はなるほど、それなら今ウワサの
美玖は
そして本郷の弟子に導かれて、本郷がいる奥の部屋に入った。
「お
すると本郷は、美玖に頭を下げた。
「すまねえ、美玖の
美玖は、真剣な表情で答えた。
「いえ、本郷翁に呼ばれたのなら、いつでも
すると本郷は、手紙を見せた。
「実はさっき、
「その方は一体?」
本郷は、少し困った表情で説明した。本郷には、本郷の元を離れて
玄庵はその四人の中で、
そしたら玄庵から、ある手紙がきた。ざっくり言うと、『
美玖は、少し考えてから答えた。
「なるほど、そういうことでしたか……。では二つ頼みたいんですが、よろしいでしょうか?」
「うん、何だ?」
「はい。一つ目は、『極み』を貸していただきたい、ということです。妖刀に対抗するには、妖刀が必要だと思いますので」
すると本郷は、
「ああ、それなら
「はい、
「重助? ああ、まあ、俺の弟子に言えば、もちろん探せるが。
美玖は、真っすぐに本郷を見つめて答えた。
「はい。市之進は、我が沖石道場にいます。そして誠兵衛は、おゆうという女性と長屋に住んでいます。そうです、重助も加えて、
第二部 完結
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