第二十三話
すると
「
俺は、徳右衛門の目を見て聞いた。
「一つ聞かせろ。お前はどうして、
ギラギラとした目を見開いた徳右衛門は、答えた。それは、人を殺す
俺は、疑問に思ってきいた。
「身代わり?」
「そうです、身代わりです! 私が辻斬りをして、あいつらを身代わりにさせようと思ったんです!」
俺は、
「とんだ
「もちろんですよ。お茶を用意したのは私なんですから。逆に私以外に誰が、しびれ薬を入れるっていうんですか?!」
「ふん、
すると徳右衛門は、『
「
「ふん、
すると徳右衛門は、
「ふふっ、これはもう
「全く、大した奴だ。もちろん悪い意味でな」
「ふふっ、それは
それを聞いた俺は、吐き捨てた。
「誰も、お前なんか褒めてねえーつーの!」
すると徳右衛門は、再び不敵な笑みを浮かべて言い放った。
「ですが私は、誠兵衛殿を評価していますよ。ですから『
「ふん、褒美ときたか?」
「ええ、そうですよ……、喰らえ!」
徳右衛門は、
すると徳右衛門は、再び放った。
眼攻!
またしても徳右衛門は、突きを放った。俺は今度は左へかわした。するとやはり『青鬼』は左へ斬りかかってきて、右肩を斬られた。俺は、訳が分からなかった。
すると徳右衛門は、
「どんな攻撃でも、かわすだと?……」と、更に強くなるしびれに
俺は体を左に
そして徳右衛門は一歩下がり、光速の軌跡をかわした。かすり傷一つ、つけることが出来なかった。そして、せせら笑った。言ったでしょう? どんな攻撃も見切ってかわせると。
眼攻!
徳右衛門は、突きを放った。だが俺は、動けなかった。どっちによける? 右でも左でも
すると徳右衛門は、勝ち
「くくく。これが江戸で一番強いと言われた、誠兵衛殿の姿ですか? みじめですねえ、
そしてとうとう俺の全身に、しびれ薬が回った。
「くそっ、しびれ薬を盛っておいて、よく言うぜ……」
「おや、薬のせいにするんですか? 誠兵衛殿らしくもない……」
すると徳右衛門は、表情を輝かせて言い放った。
「そうだ、こうしましょう! ここに、おゆう殿を連れてくるんですよ! おゆう殿が斬られる姿を見れば、さすがの誠兵衛殿も本気を出すでしょう!」
その言葉を聞いて、俺の全身から血の気が引いた。
「何を言っているんだ、お前?! やめろーー!」
「くくく。おゆう殿を、ここに連れてくるのは簡単ですよ。誠兵衛殿が辻斬りに負けて
俺は、全身の力を
「やめろーー! おゆうは関係ない! やめろーー!」
すると徳右衛門は、不敵に言い放った。
「それは本気を出さない、誠兵衛殿が悪いんですよ。私はもっと誠兵衛殿とヒリヒリするような、命のやり取りがしたいんですよ……」
「くっ、くそっ! 本気は出している! お前が盛った、しびれ薬のせいで体が動かないんだ! くそっ、しびれが更に強くなって今は全然、動けねえ……」
「ふふっ、しびれ薬くらいで動けなくなっては、困ります。あなたは江戸で一番強い侍なのですから……」
気付けば俺は、無意味な
「
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