第十九話
次の日。日が
「準備はよろしいでしょうか、
「ああ」と、俺たちは長屋を後にした。
すると歩きながら、徳右衛門は
「
「ああ、それが
すると徳右衛門は、
「さあ、それでは行きましょう!」
俺たちは南町奉行所の、北側に着いた。そして
「やっぱり少し
俺は、「その時は俺がまた、
歩いているとやはり、
「お前が誠兵衛か? お前が、
「ああ、そうだ。お前も辻斬りか?」
すると短髪の男は、
「ああ、もちろん。俺は
俺は、少し考えながら聞いた。
「やれやれ、お前も妖刀を持っているのか? なあ、その妖刀は誰が作った?」
すると卯之吉は、微笑を浮かべて答えた。
「ふん、知っていても、お前には教えん……」
なるほどと俺は、
「つまりは、知らねえってことか。つまりは、お前も
すると卯之吉は、怒りの表情を浮かべた。そして
「俺が雑魚かどうか、この技を喰らえ!」
卯之吉はまず中段の構えから
俺は上段で、『
「
すると卯之吉は、
「くくっ、攻撃はまだ終わっていないぞ!」
「何?!」
そして卯之吉は、
連撃!
突き、薙ぎ払い、
「確かに四刻半の攻撃は
「何?!」
「お前の攻撃には、キレが無い。つまり攻撃が
俺は『血啜り』を
「だから、こんな反撃も出来る!」
卯之吉の攻撃の
「くっ」っと『猿』を立てて卯之吉は居合術を防ごうとしたが、俺の居合術はその『猿』を斬った。『猿』の上部は回転しながら、地に落ちた。
「くっ、くそっ」と
突き!
突きを喰らった卯之吉は、後ろに倒れて
「やりましたね、誠兵衛殿! これで残る辻斬りは一人です! それで三人の辻斬り、
だが俺は、表情を
「お前は本当に、そう思うか……」
すると徳右衛門は、不安そうな表情で聞いてきた。
「え? それはどういうことですか?」
「『雉』、『猿』とくれば、次は何だ?」
「あ、まさか『
「そうだ……。だから俺は、『桃太郎』という妖刀を持つ奴もいると考えている……」
俺の考えを聞いた徳右衛門は、頭を
「何てこったー! 辻斬りはあと、三人もいるだなんてー!」
俺は、少し考えながら話した。
「まあ、辻斬りは一人ずつ倒していけばいい。それよりも俺には気になることがある……」
「何でしょうか?」
「妖刀を作った奴だ。俺が知る限り妖刀を作れる奴は、この世に一人しかいない……。しかしあの
「えーと、すみません。全然、話が見えないんですが……」
「とにかく直接、本人に聞いた方が早いな」
徳右衛門は、疑問の表情で聞いてきた。
「あの、本人とおっしゃいますと?」
「
「まさか江戸で一番の
あまりの徳右衛門の
「まあいい。だが、
「はい、もちろんです!」
俺たちは卯之吉を南町奉行所に引き渡した後、早速、本郷の
「あ、これは誠兵衛様。何か
「ああ、源吉の爺さんにちょっとな。今、いるか?」
「はい、いらっしゃいますが……」
「急ぎの用なんだ。邪魔するぜ」
「はい、本郷様は奥の部屋にいらっしゃいます……」
俺たちが奥の部屋へ行き、引き戸を叩くと中から声がした。
「
「俺だ、誠兵衛だー!」
「誠兵衛? こんな時間に何だ?ー」
「
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