第十五話 第一部 完結
しばらくして目が覚めたおゆうさんは、お
食べながら話していると、
「なるほど、やはり
「はい。美玖さんは相変わらず鬼のように強かったですし、最強の妖刀を持っているわで、もう、本当に大変だったんですから! 勝てたのは
「なるほど。それにしても
「ご
「そうだね、そうしよう」
すると、おゆうさんが口を
「全く、一緒にいた女性が、昔お
「そう言おうと思ったんですけど、おゆうさんが勝手に早とちりをして……」と反論すると僕は、おゆうさんに
僕は、決心した。後でお
●
朝ご飯を食べた僕は『
すると中から「入れー」という声がしたので、引き戸を引いて中に入った。僕は、
「今日は、ご
本郷翁は背を向け書き物をしていて、視線を下に落としたまま聞いた。
「お前がきたってことは、一番強い妖刀は『血啜り』だったっていうことか?」
「いえ、違います」
本郷翁は顔を上げて、振り返り聞いた。
「どういうことだ?」
「はい、一番強い妖刀は、この『極み』です。僕は美玖さんに負けました」
「じゃあ、どうして美玖の
「えーと、今は部屋で傷を
本郷は、ため息をついて聞いた。何で勝った美玖の嬢ちゃんが傷を負って、お前がくるんだ? ちゃんと説明しろと。僕は、ごまかしてみた。
「えーと、あれでしょうか? 勝負に勝って、試合に負けるといいますか……」
「はあ、正直に言え。勝ったのは一体どっちなんだ?」
ごまかしが出来ないと
「やれやれ、どうして
「すみません、どうしても『血啜り』を手放したくなくて。それで美玖さんにお願いして『極み』を
「ということは、美玖の嬢ちゃんも『極み』を
「はい、一応……」
本郷翁は一応、納得したようだ。そして、実は俺も一番強い妖刀、守護刀にするべき妖刀は『極み』だと思っていた。ただ面白い考えが浮かんだから他に三本作り、まあ、この三本がどこまで『極み』と戦えるのか知りたかった。だがまさか、『極み』が負けるとは。しかし、まあ、お前も美玖の嬢ちゃんも守護刀にするべき妖刀は『極み』だと思っているなら、そうするかと言ってくれた。
僕は、素直に喜んだ。
「本当ですか、本郷さん! ありがとうございます! それと、お願いがあるんですが……」
「『血啜り』を譲ってくれっていうんだろ? いいよ、やるよ。ただ、大事に使ってくれよな。それが条件だ」
「はい、もちろんです! ありがとうございます!」
こうして『血啜り』は正式に、僕のものになった。
●
そして『極み』は明治政府に
●
その頃、市之進さんは美玖さんの部屋にいた。取りあえず
すると美玖さんは、
「おお、市之進、久しぶりだな。何やら最近、
「そうかも知れませんね……。実は僕は今朝、
「うむ、
市之進は、改まった表情で提案した。
「もしよろしかったら、美玖さんが
「お、私の代わりにやってくれるのか?! それはありがたい! 正直、
「これも、
●
数日後、新しい
●
「誠兵衛さん、今日もまた、出かけるんですか?」
「ああ、今日も『血啜り』が
「分かりました、気を付けてくださいね」と、おゆうは
●
それから江戸には、ある
第一部 完結
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます