四季

東藤蕣

四季

 夏は嫌いだ。暑いし、じめじめする。虫だってたくさん湧いて出てくる。

 思えば、僕はどの季節も同じようなことを言っている気がする。

 春は虫が出てくるし、花粉がつらい。

 秋はまだまだ暑い。

 かと思えば、冬は急に寒くなる。

 でも、僕は日本の四季が好きだ。

 春は桃色に舞い散るさくらが美しい。 

 夏は夜空に咲き彩る花火が美しい。

 秋は真っ赤に染まる紅葉が美しい。

 冬は降り積もった白銀の雪景色が美しい。

 思えば、僕はどの季節も同じようなことを言っている気がする。

 思えば、僕は去年も、その前も同じようなことを言っている気がする。

 多分きっと、この先何年も何十年も、また同じようなことを言い続けるんだろう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

四季 東藤蕣 @403_no_name

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る