一度目の生

@Rustfeast

第1話

私はある本が好きだった

それは、執事と魔女の恋愛物語の本

寝る時も持っていた

遊ぶ時も…


本はいつのまにかどこかへ無くしてしまった


ある日のこと

私は片付けをしていた


「お母様に貰った指輪どこにいったんだろう」


私は隣で寝ている犬、もとい執事に聞いた


「…」


獣耳が特徴的な執事は何も言わない


「ロレスも一緒に探してよ」


「めんどくさい」

ロレスが眠たそうに言った


私が少し不満そうに見ていると


「はいはい。探すよ」


ロレスは起き上がって本棚の周辺を調べ始めた


「ロレスって鼻とかで探せないの?」


私が不思議そうに言った



「このシアの匂いだらけの部屋でどうやって嗅ぎ分けろと?」


「あ、そっか」


そこから私たちはしばらく探した。


「見つからない!!」…


無駄に広いこの部屋から指輪ひとつを探すのは中々 酷だ


「諦めようよ」


ロレスはあくびをしながら言った


「ロレスはめんどくさいだけでしょ」


「うん」


ロレスは即答した


「これだけ探しても見つからないし…とりあえずお昼ご飯でも食べながら考えよう」


探し始めてから早くもお昼の時間になっていた


ロレスはご飯の支度をし始めた


今日のお昼ご飯はオムライスだ。


ご飯を食べ終わると早速再開した


「さぁ 探すよ」


ロレスが「うぃ、」とやる気のない返事をした


そこからまたしばらく私たちは指輪を探した


「後探してないのどこだろう?」


シアが呟いた


「だいたい全部調べたし後は僕の部屋ぐらいかなー」


ロレスが遠い目をしながら言った


………


シアが顔を赤くした


「ロレス見てきて!!」


「はいはい」


ロレスが空返事をして部屋に入っていった


しばらくするとロレスが出てきた


「あったよ?」


ロレスが頭をかしげながら言った


何かを思い出したようにハッとすると

シアの顔はさっきよりも赤くなった


ロレスが不思議そうに見つめているとシアは


「何でもないよ?」と言って部屋を飛び出してしまった


?と頭をかしげたままのロレスは

「まぁいいか、見つかってよかった」と少し嬉しそうに言って

また夢の中に落ちていった……

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