第13話 僕はハーレムを作るためにエルフを呼び寄せた
元々この世界は亜人間達の世界だった。
彼ら彼女らは平和に暮らしていたが、後から誕生した人間とモンスターの欲望により平和が壊された。
だから、人間と亜人間は仲が悪い。
と言うか、人間が亜人間たちを一方的に迫害していた。
亜人間とは、オーク、ゴブリン、ドワーフ、そしてエルフなどだ。
「どこで……殺されたの?」
彼女の両親はこの貧乏領地のどこかで殺された。
そして、彼女は僕の近くまで逃げて来たのだろう。
そう考えるのが自然だ。
ということは、彼女の両親を殺した人間はこの近くにいる……
「くっ……」
僕は咄嗟に棍棒を手にし、身構えた。
彼女をかくまっている僕は、その人間たちから敵と見なされる可能性大だ。
僕は人間だが、この時、何故か人間の味方ではなくシィダの味方になろうとしていた。
「ヒロアキ……多分、悪い人間たちここにはいない」
シィダが僕の服の裾を引っ張った。
「え?」
「シィダとパパとママはエルフの森の中にいた。そこに人間が攻めて来た」
「エルフの森って……どこにあるの?」
「辺境……」
「辺境」
辺境とはこの世界の果てだ。
この世界の地図の端っこに載っている。
そんな遠くからシィダは逃げて来たのか。
「必死に逃げてたら、いつの間にかここに来てた」
「え?」
どういうことだ?
この世界にあると言われる転移扉にたまたま入り、ここまでワープしたのか?
「あっ……!」
僕は思わず両手を叩いた。
「ハーレム……」
僕のスキル『ハーレム』のせいじゃないだろうか。
ハーレムを発動した直後に、シィダの泣き声が聞こえた。
ハーレムでシィダは僕の元に呼び寄せられたのじゃないか?
だとするなら、このスキルはどういう時に使えばいいのだろう?
「ハーレム? ヒロアキ、何それ食べれるの?」
シィダが僕を不思議なものでも見る様な目で見つめた。
「いや……。シィダ。ちょっと試していいか?」
「うん。何を?」
「ハーレムを……」
僕の仮説が正しければ、このスキルが発動されると美少女が現れる。
「ハーレム!」
……だが、何も起きなかった。
「ハーレム!」
シィダが僕の真似をして見せる。
「……うん。気のせいだったんだな」
シィダは偶然、転移扉を開けたのだろう。
<ハーレムを発動するためには
レベルアップ時の無機質な女性の声が脳内に響く。
何だそれ?
<
一ヶ月も……。
逆に月に一回、美少女をここに呼べる。
つづく
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