貧乏領地を押し付けられたので、美少女孤児院を作ったら最強の勇者になった
うんこ
プロローグ
第1話 今日から平民!
僕の名はヒロアキ。
ラインハルホ王国の第五王子。
そう言えばカッコいいけど、実際は兄さんや姉さん、そして妹達からは馬鹿にされている。
時には下男にも劣る扱いだって受けることがある。
この前なんか酷いんだよ。
「ヒロアキは能力が無いし、そのせいで国民のために働いてないから舞踏会には出るなよな!」
僕はそんな理由で、お妃候補を探すための舞踏会でも下働き(ご飯を運んだり、酒を用意したり)だったよ。
僕は能力が無いなりに国民のために働いたつもりだ。
兄さん達が楽しそうに綺麗な女の人と踊っているのを横目で見ながら、羨ましくて涙が出そうだった。
だけど、僕には一人だけ味方がいた。
「ヒロアキよ。落ち込むな」
王様である僕のお父さんだった。
王様は頬に傷がある凛々しい男だった。
歴戦の勇者でこの世界を統べる5大王の一人だ。
「うん。僕もお父さんみたいになれるかな?」
「うむ、なれるとも」
王様は僕の手をしっかりと握ってくれた。
そしてこう言ってくれた。
「神は乗り越えられる試練しか与えない」
「はい」
「だから、めげるな」
「はい」
この生活は僕が強くなるための試練なのか。
だが、何のために僕は強くなろうとしているのか。
「ヒロアキよ」
「はい」
「いや、まだ言うまい……」
思えば、あの時、王様は何を言おうとしたのだろうか。
辛いのは王様は普段、城にいないということだった。
常に他国との外交やモンスターの討伐のために前線に赴いていた。
何でも自分でやらないと気が済まない人だった。
そんな王様がある日突然死んだ。
復活した魔王との戦いによって殺されたのだ。
HPが0になった王様。
この世界ではHPが0イコール死を意味していて、死んだ瞬間存在は消滅する。
僕ら残された子供達は、父親の死に目に立ち会えなかった。
長男であるシロウが偉そうに王様が座っていた玉座にドカッと座った。
「さて、どうするかな」
彼は僕をじっと睨みつけると、続けて僕の名を呼んだ。
「ヒロアキ」
「はい」
「お前は今日から平民だ」
つづく
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