012 許さないッッッ!!!
俺は執念の一撃をグレイネルにぶち当てたッッッ!!
『グ、グフゥォォォオオッッッッ!!??』
「うぅぅぅぅおおおおおおらぁぁあぁぁああッッッッッ!!」
「「「 ドサァァアッッ!! 」」」
グレイネルを倒した……!
「よしッッ!!た、倒した……!!」
『やったな、バロウ……!』
「いえいえ、ゼローグ先輩のおかげっすよ……でも……」
俺の目から涙が自然と流れる……
「……ま、魔王さ、ま、が……ううう……」
『魔王様がどうかしたのかッ!?』
「グレイネルに倒されたんです……ほら、あそこに……」
俺は魔王様の亡骸に目を向け…… ”!?”
「魔王様がいないッッッ!?」
『バロウ……よくやったぞォ……貴様の思いは三体にきっと伝わった筈だァ……』
そこには死んだはずの魔王がいた……ッッ!?
「……え?魔王様……倒されたんじゃ……!?」
『詳しく話をしようゥ……』
魔王様と広い場所に移動した……
◆
「どういうおつもりですかッッッ!?これは俺の加入を認めるかどうかの試練だったとはッッッ!!!」
『あぁ……本当に申し訳ないと思っている。だが ”グレイネル” ”リギウン” ”メチカライト” が、人間を本当に信じていいのか?と何度も言ってきてだなァ……』
すると、ほぼ無傷の”グレイネル” ”リギウン” ”メチカライト” が、近寄ってきた……!
『バロウ……貴様の魔王様を思う気持ちがよく伝わった……ッッ! 貴様の熱い気持ちに免じて……我、”グレイネル”は正式に加入することを認めるッッ!』
『この俺……”リギウン”はこの熱い人間……”バロウ”を加入することをみとめてやってもいいぜェ……ッッ!』
『私の顔に傷をつけたことは絶対に許さないが、貴様の戦闘スキルから見ても不足は無いだろう……この私”メチカライト”も加入を許可したい……』
「そ、そんな……いいんですか……!?」
『すまないなァ……バロウ。結果的に貴様を騙す形になってしまってなァ……』
「本当ですよッッ!!完全に死んだと思ってたんですから……うううぅ…………”良がっだ”………良がっだぁぁぁぁぁあああッッッ!!!」
「「!!」」
魔王様が俺の体を抱き寄せた……
『貴様は我の立派な”家族”だァ……貴様のことは我らが護り、我らのことは貴様が護る……分かったな?バロウ……』
「「 ハイッッッ!!! 」」
魔王様の体は温もりを感じ、生きていることを実感できた……
◆
「ブラックパラディン先輩ッッッ!!この事、本当は知ってたんですね!?」
『あ、あぁ……知ってたよ。でもお前はよく頑張った……それは絶対に言える……
まぁだが、”グレイネル” ”リギウン” ”メチカライト”の強さはあんなもんじゃない……バロウが死なないように手加減していたしな……』
(メチカライト先輩はガチギレっぽかったけどな…… )
『まぁ……あの人達、バロウと初対面の設定なのに”バロウ”って呼んだりしてたしな……!!』
「た、確かにッ!言われてみれば確かに初対面で名前を呼ばれてたッッ!」
『まぁ、でもある意味 ”最悪の事態” が起きかねん状況ではあったから、本当に勇者が来なくて助かったな……』
「そうだ……最悪の事態の事、俺わすれてたッッ!! ……でも、俺にとっての最悪の事態は ”魔王様が死ぬこと” なんで、勇者ごとき屁でもないっすよ!」
『本当にバロウは魔王様思いだなぁ〜!』
「……はい、魔王様が本当に生きていてくれて嬉しかったっすね……」
――その日の夜……俺は戦いの疲れと生きていたことの安心感で、すぐに眠りについた…………
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